中国工業情報省は今年2月、ダブルクレジット規制の2020年度評価基準を緩和する方針を示した。燃費規制では100km当たりの燃費(L/100km)を算出する際、アイドリングストップシステム、回生ブレーキ、シフトチェンジサポートなどを搭載する車種では、それぞれの機能分を割り引いて計算する措置を取る。

また、NEV規制では、コロナの影響でNEV生産が遅れたことを考慮し、メーカーが2020年の「NEVクレジット」不足分を2021年の実績と合わせて精算することが可能となる。

特にコロナの震源地であった湖北省に立地する企業(東風ホンダ、東風日産)に対しては、燃費/EVクレジット目標の未達成分を2割差し引いて評価すると規定した。

2018年に発表された東風日産のEV「シルフィ ゼロ・エミッション」(写真:日産自動車)

しかし、2021年4月に公表した乗用車メーカー各社の昨年のダブルクレジット規制の実績を見ると、対象メーカー117社のうち、71社が燃費目標未達成、30社がNEV目標未達成だった。

メーカー各社は販売拡大を図るため、比較的排気量の大きいSUVの生産に注力している。昨年の乗用車販売台数トップ3の一汽フォルクスワーゲン、上汽フォルクスワーゲン、上汽GM(ゼネラルモーターズ)が目標達成ランキングのワースト3となっている。

高騰するNEVクレジット単価

欧米系メーカーだけではなく、日系自動車メーカーもその上位に名を連ねた。日系の中国合弁企業9社のうち、天津一汽トヨタの燃費目標および鄭州日産のNEV目標を除くと、7社は燃費およびNEVともに目標達成できなかった。特に東風日産(東風汽車有限公司)、広汽ホンダ、東風ホンダが燃費超過で30万ポイント以上のマイナスクレジットを抱えている。

上記9社は、燃費超過分をNEV生産で賄うことができるものの、各社はNEV生産台数が少ないため、他社からNEVクレジットの購入を余儀なくされる。

乗用車メーカーにとって燃費規制への対応遅れは、NEVの生産負担やNEVクレジット購入コストの増大につながる。2020年のNEVクレジット供給量は328万ポイントであったのに対し、燃費超過にともなうクレジット需要量は、666万ポイントに上がった。その結果、NEVクレジット単価は2019年の2万円程度から2020年には5万円超へと急上昇している。