アメリカの電気自動車(EV)大手のテスラは2021年内に中国で車両走行データのプラットフォームを構築し、ユーザーからの問い合わせに対応する。5月7日、テスラの関係者が財新記者の取材に対して認めた。ユーザーに公開するデータの種類については、まだ明らかにされていない。

テスラは走行データをめぐる問題で、この1カ月論争を引き起こしている。4月に開催された上海モーターショーの期間中に、1人の女性がテスラの展示ブースで、自身の父親が運転していた同社製EVのブレーキが効かず事故に至ったと主張。「ブレーキは正常に作動していた」とするテスラの説明は事実ではないと批判した。その後テスラは4月22日に事故1分前の走行データを公開した。5月8日の時点では、双方ともに事故の第三者調査の進展を公表していない。

問題の核心はEDRのデータ

今回の論争の核心はイベント・データ・レコーダー(EDR)のデータである。EDRは車両の衝突事故が発生した前後の一定時間における車速、ハンドルの向き、アクセルやブレーキの状態、シートベルトの使用状況、制動システムの状態など、車両の運行や安全状態のデータを記録する。

本記事は「財新」の提供記事です

アメリカ運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)は2014年9月にアメリカで販売される新車にEDR装着を義務づけており、テスラは2018年にアメリカのユーザー向けにEDRデータを公開している。テスラの公式ホームページによると、モデルS、モデルⅩ、モデル3とモデルYの4モデルがユーザーのEDRデータ検索に対応している。

これまで、中国でユーザーに走行データの検索を認めている自動車メーカーはない。その背後には走行データの権利問題がある。業界の専門家によると、データの取得に関する中国の法律は整備されておらず、対立の発生時に企業がデータを自発的に提供しなかった場合、ユーザーが法的手段に訴えてデータを入手するのは難しいという。

(財新記者:劉雨錕)
※原文の配信は5月8日

著者:財新 Biz&Tech