近年、国内新車市場では、コンパクトSUVの販売競争が熾烈化している。各自動車メーカーから続々と競合となる新型モデルが発売され、まさに戦国時代の様相を呈しているといえよう。そんな中で、ホンダが同カテゴリーの主力機種「ヴェゼル」をフルモデルチェンジし、2021年4月23日に2代目となる新型を発売した。

2013年に登場した同モデルの初期型は、今のコンパクトSUVブームを作った立役者ともいえる存在だ。累計販売台数で約45万台を記録、過去4度のSUV新車販売台数1位を獲得するなど、数々の輝かしい記録を打ち立てている。その後継として発売された新型にとって、最も強敵となるのがトヨタの「ヤリスクロス」であろう。2020年8月の発売以降、2020年12月までのわずか4カ月間で3万台以上を販売、2021年に入っても毎月9000台のペースで好調なセールスを継続中。同ジャンルで今、最も市場の支持を受けているモデルの1台だからだ。

そんなヤリスクロスと新型ヴェゼルには、それぞれどのような特徴があり、どのような点に優劣があるのだろうか。各車を比較することで、新型ヴェゼルがヤリスクロスに対抗できるだけの商品力を備えているかなどを検証する。

外観や車体サイズを比較

まずは、外観や車体の特徴などを比較してみよう。新型ヴェゼルは、先代モデルと同様、流麗でクーペ的なフォルムを踏襲しつつ、全席で爽快な視界を生み出す内装の造形を意識した「スリーク&ロングキャビン(滑らかで長い乗車スペースといった意)」を採用する。

ヴェゼルのスタイリング&フロントフェイス(写真:ホンダ)

中でも特徴的なのは、フェイスデザインだ。フィンのような形状や外装色と同色にすることでボディとの一体感を高めたフロントグリル、よりシャープになったヘッドライト形状などにより、スマートかつ個性的な表情を持たせている。また、ボディのサイド部は、リアコンビネーションランプからヘッドライトまで、水平基調のデザインを採用することで力強さも演出する。さらにボディデザイン開発では、F1マシンの設計・開発などを行うホンダのHRD Sakuraの風洞実験施設も使用し、コンパクトSUVトップクラスの空力性能を実現している。