40km圏では運賃500円でも安いほうだが、300円台の優等生がいる。京王だ。1997年に戦後の大手私鉄では初の運賃大幅値下げを実施し、さらに相模原線も建設費の回収が進んだことで値下げした。その結果、新宿―めじろ台間は370円、新宿―橋本間は390円という破格の運賃だ。

50kmまで来ると西側私鉄とJRの運賃差が2倍にもなる。ここまで来ると途中でJRから私鉄に乗り換えたほうが安いのではないか。実際、中央線の新宿―相模湖間は990円だが、高尾まで京王線利用にすると570円で、420円も安くなる。JRも私鉄との競合区間では特別に安い特定運賃を設定しているが、特定運賃区間のちょっと先の駅が目的地の場合は特定運賃区間と残りの区間で区間を分割して乗車券を購入したほうが安くなるケースが多数存在する。

また、あまり目立たないが最も速い路線が常磐線だ。各線50分前後かかる中、つくばエクスプレス線と並んで42分の俊足ぶりだ。

新線ができれば変わるかも…

ここまで各方面の営業キロによる距離別で比較してきたが、その多くは直線距離と大きくは変わらない線区だ。だが直線距離ではこの距離なのに大幅に遠回りをさせられるところがあり、そういった地域では都心へ直結する新線が構想されてきた。最後にその例を紹介する。

池袋から足立区竹ノ塚までは直線距離で10kmなのに、現在は西日暮里・北千住乗り換えで35分・500円もかかる。これは10km圏の平均15.4分・244円の倍以上だ。池袋から10km、急行で1駅10分・210円で行ける石神井公園の人からしたら信じられないことだろう。

そのため、平成初期に池袋と竹ノ塚を結ぶ地下鉄新線「池袋・竹ノ塚線」が足立区、北区、豊島区を中心に構想され、署名運動まで展開されている。近年はあまり動きがないが、実現すれば池袋―竹ノ塚間は乗り換えなしで10分に短縮され、運賃もつくばエクスプレスの水準と仮定すれば340円で済むだろう。途中の豊島五丁目団地へも池袋から都バスで25分だが、新線なら7分になる。東武線各駅から池袋までの時間短縮効果も見込める。

いかがだったであろうか。集計の結果、安さで見るなら山手線西側の私鉄各線、速さで見るならJR中央線と常磐線、つくばエクスプレスといったところだろう。この集計を見て不公平感を感じた人もいるかもしれない。時間、運賃、本数どれを見るかは人それぞれだが、一長一短はどこにでもある。