ある男子生徒は、「第1希望の会社に残念ながら落ちてしまい、第2希望の会社を探すことになったが、面接の調整に時間を要した。学内でコロナ感染者が出たことでPCR検査を受けたりと、調整に時間がかかった」と話していました。

希望の業種・職種を変更せざるをえないケースも相次いでいます。中には、「希望する調理の仕事の求人が激減し、第1希望の会社は募集人数も減り落ちてしまった。第2希望の会社は2社目を受ける2次応募の時期には募集終了していた。別の業界を探すも、希望する会社が見つからず卒業してしまった」という高校生もいました。

ここで高校生の就職活動では長らく続いている「学校斡旋」「1人1社制」という就活システムについて説明したいと思います。

まず、多くの高校生は学校に届く「求人票」の中から先生にお勧めの求人を紹介してもらいます。企業側の求人票は、ハローワークで事前に求人票登録をする必要があり、その届け出を経て、直接訪問や郵送で高校進路指導教員のもとに届きます。先生は学校に届いた求人票の中から、学生に志望先企業を勧めます。これが、学校斡旋です。

長年変わらないシステム

そして学生は、その中から最初(9月16日以降)に面接に行く応募先を1社に絞らなければなりません。

それが「1人1社制」と呼ばれるものです。そもそも多くの都道府県では、9月5日(沖縄県は8月30日)応募開始日から一定の期間は原則1人1社のみしか応募できない決まりになっています。また、一度に2社応募できる時期は都道府県によって異なりますが、早いところでも10月1日以降になっています。

高校生が平等に就職機会を得られ、多くの高校生が内定を得ることができる仕組みとして生まれました。しかし、前出の高校生のように、1社目が落ちて2社目に挑戦する際には、すでに選択肢がなくなっているという事態が起きてしまいます。コロナ禍で問題点がより浮き彫りになっています。

また、先生から勧められたものの、面接などの選考を通して会社のことがわかっていき、自分に向いてないと思うこともあるでしょう。しかし、学校からの斡旋である以上、内定を断れば「翌年の高校生に影響が出る」ことになり、断りにくいという側面もあります。

さらに会社の理解度という点では、高校生は、7月から9月の短期間での応募企業を決めなければなりません。また、「求人票」も表裏に記載された文字のみで、会社の社風や考えまでは読み取れず、そうした少ない情報を頼りに就職活動を行っています。

この仕組みは、36年前に私が高校3年生のときに就職活動を行ったときからまったく変わっていません。