上司と部下のコミュニケーションとして、よく実施されるのが面談です。日本の職場は、とにかく会議と面談が多いという特徴があります。そのため、多くの人にとって、会議や面談はムダなものであるという認識が強いのではないでしょうか。これは、日本の職場では、会議や面談を実施する「目的」が明確ではないことが主な原因です。

例えば、上司と部下が人事評価や目標管理の意味合いも含めて、週に1度必ず面談しないといけないというルールがあるとします。そのような環境下では、「週に1度面談をする」ということが目的になってしまいがちです。なぜなら、その面談を実施した記録となる面談シートのようなものを会社に提出する必要があるためです。

こうして面談を続けていると、今度はマンネリ化してきて「聞くことが特にない」といった状態になってきます。しかし、それでも面談は繰り返さなければなりません。なぜなら、面談実施の報告義務があるからです。

建設的な意見の共有はできっこない

このような形で、ムダな面談は日本各地で実施されています。「手段の目的化」が原因でムダな面談が繰り返され、繰り返して得られるのは「やらされ感」です。しかし、「やらされ感」が充満している職場では、上司と部下が本音で建設的な意見を共有することはできません。

そこで、やらされ感を払拭し、上司と部下が本音で話し合うための実践的な3つの方法をご紹介させていただきます。

1、「コンセプト共有法」:実施目的を明確にする

1つ目は「コンセプト共有法」です。

なぜ部下が「やらされ感」を持ってしまうのかというと、それは、実施の目的を理解していないからです。実施の目的を理解せずに「単にやれ」と指示するだけでは、「忙しいのに本当にやる必要があるのか」という気持ちが芽生えてしまいます。

そこで、上司と部下で面談をするときは、必ず事前に、「実施の目的」を伝えてください。あわせて、部下にとってのメリットも伝えておくと効果的です。なぜなら、仕事は会社のために行うものと考えてしまいがちですが、それでは「当事者意識」を持てない部下が多いのです。そのため、部下本人の直接的なメリットを伝えることで、当事者意識を持ってもらいます。

例えば、人事評価のために成果確認の面談を実施するとします。何の説明もないまま面談を始めると、「上司は普段から部下の頑張りを見ているものだ」とか「自分から成果をどんどん主張するのは気が引ける」と考えて、上司に対して何も話してくれないかもしれません。一方、上司は「部下のすべての行動を把握しているわけではないので、成果として評価できることはきちんと教えてほしい」と考えているとしたら、成果のある面談を実施することは難しいといえます。