2021年上半期(1〜6月)の輸入車登録台数を見て驚いた。ジープ「ラングラー」が、7位に入っていたからだ。

その前後は、5位:フォルクスワーゲン「T-Roc」、6位:メルセデス・ベンツ「Aクラス」、8位:フォルクスワーゲン「ポロ」と、コンパクトなドイツ車が並ぶ。これは通常の売れ方で、7位のジープラングラーだけが異質で目立つ。

ジープは、第2次世界大戦で使われた「ミリタリージープ」から発展したブランドで、もともとはウィリス・オーバーランド社に属した。

その後、数回の買収や合併を繰り返し、今はフィアット/クライスラー/プジョー/シトロエンなどをそろえる、ステランティスの傘下に入るブランドとなっている。

ジープには複数の車種が用意され、コンパクトな「レネゲード」や「コンパス」は、日本車でいえばトヨタ「ヤリスクロス」やホンダ「ヴェゼル」のような都会的なSUVだ。一般的には、このタイプのSUVが人気を集めている。

ところが販売の好調なラングラーは、都会的なSUVでは決してない。日本車ではトヨタ「ランドクルーザー」に相当する悪路向けだ。レネゲードやコンパスと比べて悪路走破性が圧倒的に高く、ボディも大きい。

5ドアボディを備える「ラングラー・アンリミテッド」のサイズは全長4870mm、全幅は1890mmに達する。エンジンは直列4気筒2.0リッターターボも選べるが、主力はV型6気筒3.6リッターだ。

10年で10倍に伸びたラングラー

このようにジープブランドでは、トヨタでいえばヤリスクロスや「ハリアー」よりもランドクルーザーが多く売られるような状態になっている。

ちなみに輸入車の販売ランキングを振り返ると、ラングラーは2018年からトップ20に入り続けている。ただしトップ10にランクされるのは、2021年が初だ。

ラングラーシリーズは限定モデルや特別仕様車もたびたび発売する(写真:FCAジャパン)

悪路向けSUVのラングラーが、なぜ最近になって販売台数を急速に伸ばしたのか。FCAジャパンに尋ねると、以下のような返答を得た。

「ラングラーは2018年にフルモデルチェンジされた現行型が日本へ導入されると、販売台数を大幅に伸ばした。ジープの最多販売車種になり、今のラングラーの販売台数は、10年前の約10倍に達する」

では、どのようなユーザーが購入しているのだろうか。