「やあ、よく来たな! しかし、何でマスクなんて着けてるんだ。よく周りを見ろよ、そんなの君だけだぞ」

そう言われたのは、しばらくぶりにイタリアのビジネスパートナーたちと再会したときだ。

そう、ここイタリアではこの6〜7月に移動や飲食店の営業、イベント開催に関する制約の多くが撤廃された。その中には、屋外におけるマスク着用義務の撤廃も含まれていた。

考えてみれば昨年の3月頃まで、イタリアでマスクをしている人に遭遇するのは極めて稀であった。

マスクをするのは、何か健康上に問題があるという“しるし”であると捉えられていたからだ。彼らのマスクに対する違和感は我々日本人とは比べ物にならないほど高かったから、このマスク制限の撤廃はとても大きな意味を持つ。

昨年の9月、『半年ぶりのイタリアで見た「コロナ対策」の現状』というレポートを書かせていただいたが、それから10カ月たったこの7月に再びイタリア行きを決断した。業務上のやむにやまれぬ理由があったからだが、今回はそこでの実体験をレポートさせていただきたい。

「120時間までの滞在」の条件付きで隔離免除であったが…

筆者は長年、イタリア企業とのさまざまなビジネスに関与しており、コロナ禍の前までは年間の半分近くをイタリアで過ごすこともあった。言ってみれば、主たるビジネスの拠点がイタリアだったのだ。

昨年は2月に訪伊したものの、3月にはイタリアの感染状況が一気に高まった。羽田空港へと向かう途中で、現地からイタリア国内の移動が不可能となったとの連絡を受け、慌ててフライトをキャンセルしたことを思い出す。

7月のバカンスシーズンともなると、感染者数の減少もあり、大幅に制約が緩和された。日本からの訪伊が条件付きで認められるようになったため、筆者は9月にイタリアへと出向いた。

当時は、業務上で訪伊が不可欠である旨を証明する書類が、入国にあたり必要とされた。しかし、それがあれば「最大120時間までの滞在」という条件付きで現地での隔離が免除された。

イタリアに着いてみると、現地でのマスク着用率はほぼ100%であった。イタリアでは感染防止に関するさまざまなトライが行われ、マスク着用もその1つとして法的に義務付けられていたからだ。