こうした格差を変えるには、第1に、非正規雇用の人々への支援が必要である。女性雇用者の非正規比率は5割を超える。そして、コロナ禍で宿泊サービス・飲食などの業種において、非正規雇用の女性が打撃を受けている。勤続年数が長いほど賃金が高い年功序列は正社員だけの話であり、非正規雇用者は男女ともに「300万円の壁」があるといわれるほど、長年勤めても賃金が上がらないケースがほとんどである。

男女を問わず、雇用保険でカバーされない人たちが今回のような危機や産業構造の変化に直面しても、学び直しの機会が提供されて次の仕事を見つけられ、安心して暮らせる社会を構築する必要がある。日本でも、北欧などにみられる職業教育、伴走型の助言など、新しい仕事への橋渡しを総合的に支援する「ソーシャルブリッジ」型のセーフティネットを充実させる必要がある。

これは、若者の安心、所得向上、結婚や出産も考えられる可能性にもつながる重要な施策だ。働き方や家族の在り方が多様化する中、非正規雇用社員やフリーランスなどへの支援が一層求められる。また、こうした施策を通じて、日本社会全体が人々のチャレンジへの許容力、グリーン化などで今後激変する産業構造変化への対応力を高める必要もある。

30代女性の選択肢が少ないことも少子化の原因

第2に、女性の働き方の選択肢を増やし、潜在能力を発揮できるようにすることが必要だ。ジェンダーギャップ指数120位(2021年)の順位引き上げのためにも、高等教育を受けた女性が活躍できる環境を整える必要がある。日本の女性の就業率が子育てで中断し、子育て後に復活するM字カーブはほぼ解消したが、正規社員の就業率は20代後半をピークに下がるL字型の形状を示している。

日本の女性の労働時間が長時間労働と短時間労働に二極化していることも考え合わせると、30代前半頃の女性の生き方の選択肢が少ないことが示唆される。こうした二極化はドイツ、イタリアなどの少子化国でも見られ、少子化を克服したスウェーデンなどでは見られない。