次の文は、「800件のメールアドレスの取得」を目標としていた展示会の結果を報告するメールです。

×原文
今回の展示会は大成功でした。業界最大手のA社よりもブースへの訪問者数が多く、延べ3000人が来てくれました。

○改善文
今回の展示会は大成功とは言えませんでした。業界最大手のA社よりもブースへの訪問者数が多く、延べ3000人が来てくれました。一方で、メールアドレスの取得数は目標に掲げていた800件を大きく下回り、450件にとどまりました。

原文は、重要な前提(メールアドレスの取得数800件の目標)に触れていません。本人自身が「前提を理解していない」か「前提を忘れてしまった」かのどちらかでしょう。そのため、展示会の結論が正反対になってしまいました。これでは相手に誤解を与えてしまいます。

それに対し、改善文は前提を正しく理解しており、「訪問者数は多かったものの大成功とは言えない」と結論づけています。「メールアドレスの取得数は目標に掲げていた800件を大きく下回り」と前提を示すことで、誤解の余地をなくしています。

説得力を感じさせるための「背景説明」

②「背景説明」の抜け落ち

「前提」と同様に「背景説明」も抜け落ちに注意する必要があります。
以下は、社員Aさんによる会社への提案です。

×原文
朝と昼に社員全員でラジオ体操をしませんか?

○改善文
座ってパソコン仕事をしている社員の多くが肩凝りや腰痛の症状を訴えていますので、朝と昼に社員全員でラジオ体操をしませんか?

原文は、どうしてそれをする必要があるのか?についての背景説明が抜け落ちています。これだと「説得力が弱い」と思われても仕方ありません。一方、背景説明を添えた改善文であれば、提案内容に強い説得力を感じます。

背景説明をしっかり行うことで、相手は「なぜ、この仕事をするのか」という目的を捉えやすくなります。すると、仕事に対するアイデアや工夫が生まれやすくなり、突発的な問題への対応力も高まります。

前提と同じく、背景についても「わざわざ言わなくてもわかっているだろう」という身勝手な“怠慢”は捨てましょう。相手と背景を共有することで、ムダなやりとりや時間のロスがなくなります。