中国の半導体受託生産(ファウンドリー)最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)は8月5日、2021年4〜6月期の決算報告を発表した。売上高は前年同期比43%増の13億4400万ドル(約1474億円)、純利益は前年同期の5.64倍の7億800万ドル(約776億円)に達した。

純利益の大幅増の背景には、2つの一時的要因がある。1つ目は、同社傘下で半導体試験サービスを手がける中芯長電半導体の全株式を譲渡したことに伴う2億3100万ドル(約253億円)の売却益。2つ目は、中国政府から支給されたプロジェクト助成金の8132万元(約14億円)である。

一方、売上高の増加は主に半導体の出荷量の増加と販売価格の上昇によるものだ。決算報告書によれば、4〜6月期の出荷量は8インチウェハー換算で前年同期比22%増の174万5200枚に上った。販売価格の上昇については、SMICの共同CEO(最高経営責任者)である趙海軍氏が8月6日の決算説明会で、約9%の増収効果があったと明かした。

短期的には販売価格の上昇は続くと予想される。趙氏の分析によれば、既存顧客の需要は安定しており、そこに4G(第4世代通信網)から5G(第5世代通信網)への移行や(スマートフォンやタブレット用の)急速充電規格の普及などの新しい需要が加わって、半導体市場はさらに拡大している。しかし製造設備の拡張には時間を要するため、生産能力の不足は2022年前半まで続く見通しだという。

7〜9月期には売上高成長の鈍化を予測

SMICは2020年12月、アメリカ商務省のエンティティー・リスト(訳注:アメリカの安全保障や外交政策上の利益に反すると判断された企業等のリスト)に追加されたため、生産設備の調達計画が大きな影響を受けている。しかし趙氏の説明によれば、北京、天津、深圳の工場ではスペースの拡張を計画通りに進めており、生産設備も2021年後半には搬入予定であることから、2021年10〜12月期または2022年1〜3月期には製品の出荷が可能になるとしている。

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なお同社は、2021年7〜9月期の売上高の伸び率が(4〜6月期より)鈍化するとの予想を示した。「4〜6月期の急成長は販売価格の上昇に加えて、顧客のために出荷量の引き上げに努めた結果だ。しかし出荷量の引き上げには限界がある。7〜9月期の売上高は4〜6月期と比べて2〜4%の微増を予想している」。趙氏はそう語った。

(財新記者:浦隽、何書静)
※原文の配信は8月6日

著者:財新 Biz&Tech