日経平均株価がなかなか3万円を回復できず、苦戦が長引いている。2020〜21年にかけて株価指数の牽引役を担ってきた一部の銘柄が下落基調にあり、それが指数全体を下押ししているのは事実だが、本質的要因は(1)中国経済の回復一服、(2)日本の内需に対する根強い不安の2つであると筆者は考える。

中国の生産活動減速を裏付けた複数の重要指標とは?

8月16日に発表された中国の経済指標は日本株の懸念材料であった。7月の鉱工業生産は前年比プラス6.4%へと6月のプラス8.3%から減速し、市場予想(プラス7.9%)も下回った。

国家統計局が公表する前月比の伸び率はわずかプラス0.3%となり、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)発生後で最も低い伸びに落ち込んだ。業種別では自動車が前年比マイナス8.3%と大幅な減産であった。新型コロナウイルスの感染再拡大や半導体不足、自然災害(洪水)による供給制約が主因とみられるが、需要そのものが鈍化している可能性も否定できず、やや不安な結果である。

また、7月の中国新車販売台数も前年比マイナス11.9%の186万4000台と3カ月連続で前年を下回り、コロナ前の2019年7月対比でもプラス0.3%と伸びが一服している。また、設備投資との関連が深い一般機械はプラス7.6%へと1桁台の伸びへと減速し、企業の設備投資意欲が減衰している可能性を示唆した。

世界的なIT関連財の需要好調を背景に電気機械はプラス10.3%、コンピューターなど通信機器はプラス13.0%と高い伸びを保ったものの、全体としてみれば生産活動は減速基調にある。

次に固定資産投資に目を向けると、年初来の累計でみた前年比伸び率はプラス10.3%へと減速し、前月比ではプラス0.18%の増加とどまった。

民間部門の投資がプラス13.4%と底堅さを維持する一方、政府部門(国営企業)がプラス7.1%と減速傾向をたどっている。業種別では電気機械が前年比プラス21.3%、コンピューター等通信機器がプラス25.4%と高い伸びを保った反面、自動車はマイナス3.5%と弱さが続いた。不動産開発はプラス12.7%となお旺盛も、当局が不動産投資への規制を強めていることもあって伸び率は減速傾向にある。