世界的に普及が本格化している高速通信規格の5G。新しい通信規格を活用した機器やICT端末の需要が拡大する中、それらの生産を支える機械「実装機」の売り上げが足元で急成長している。

パナソニックでは、実装機などの製造を手がけるプロセスオートメーション事業の2021年4〜6月の売上高は前年同期比52%増の660億円だった。同事業の売上高の過半が実装機関連といい、実装機を生産する主力の甲府工場の月産台数は1年前と比べて約2倍となっている。

実装機の製造・販売を担うパナソニックスマートファクトリーソリューションズ(PSFS)の寺山栄一郎副社長は「(月産台数が)2倍になるのは考えられない水準だ。需要が衰えず、2020年中盤から高原状態が続いている」と驚きを隠さない。

スマホやパソコンの製造に必須

実装機とは、電子回路の基板に、集積回路(IC、半導体)やコンデンサーなどの電子部品を配置する装置だ。スマートフォンやパソコンなどの電子機器には、電子部品が正確に配置された基板を搭載する必要があり、実装機はこれらの製造に必須の機械となる。

電子機器の基板(左)には、実装機を使って多数の小さな部品が配置されている。右は拡大した様子(写真:パナソニック提供)

例えば4G対応のスマホは約1500点の電子部品で構成される。

ディスプレイやバッテリーなどの大型部品も含まれるが、半数以上は電圧安定機能を持つ積層セラミックコンデンサーや、電流の安定化などの役割を担うインダクターをはじめとした小さいチップ部品だ。これらの大半が基板の上に配置され、電子回路を構成する。

基板に電子部品を実装する一般的な工程は、次のとおりだ。

まず、「スクリーン印刷機」と呼ばれる機械で、部品を固定するためのはんだペーストを基板に塗る。次に基板に部品を配置する装置「マウンター」を使い、ペーストが塗られた箇所にノズルで吸着した電子部品を高速で配置。その後「リフロー炉」という150〜240℃の熱風を出す機器ではんだを溶かし、装着された電子部品を固定する。最後に基板が正しく製造されたかを外観検査機でチェックする。