菅義偉首相の自民総裁選不出馬による任期(9月30日)切れ退陣表明で、衆院選投開票日が11月にずれ込む見通しとなった。

9月29日投開票の総裁選で新総裁が決まり、その後に臨時国会が召集されるため、公職選挙法の規定などから、史上初の任期を超えた衆院選とせざるをえないからだ。

菅首相が狙った「10月17日」は消滅

現在の衆院議員の任期は10月21日までだが、9月末以降となる臨時国会では、まず首相指名・組閣などによる新政権発足に数日間かかる。これに政治的に必須とされる新首相の所信表明演説と各党代表質問も含めると、「10日以上の会期確保が必要」(衆院事務局)となる。

このため、菅首相が一時選択肢とした10月5日公示・同17日投開票の任期満了選挙は完全に消滅。各党による代表質問を終えて以降の解散なら、10月26日公示・11月7日投開票が最有力となってきた。

もちろん、衆院選日程は新首相の判断次第でもあるが、選挙期間中のコロナ感染状況やワクチン接種の進展状況も有権者の投票動向を左右する。だからこそ、総裁選前から与野党双方が選挙日程設定に神経を尖らせるわけだ。

菅首相が模索した任期満了選挙は「任期満了前の30日以内に投開票」との公職選挙法の規定を踏まえたものだった。解散権を放棄して総裁選告示前に「10.17任期満了選挙」の日程を閣議決定し、野党側の「任期を超えた衆院選は憲法違反」との攻撃をかわす狙いがあった。

しかも、その日程は「総裁再選」が前提となるだけに、「巧妙な続投戦略」(自民幹部)との見方も出た。