福田氏に対する党内の評価は高い。「年齢から小泉進次郎内閣の誕生を目指すというが、見識や調整能力では小泉氏よりはるかに上」(細田派幹部)というのが大方の見方だ。次期衆院選後に細田派が安倍派に衣替えした場合、「10年後のポスト安倍の領袖候補は、血筋から言えば福田氏」(同)との声も少なくない。

福田氏の父親の康夫氏は小泉純一郎内閣の官房長官として評価され、先に総理となった安倍氏が1年で退陣した後、首相の座についた。ただ、康夫氏は政界引退後、官僚人事を強引に支配し、森友問題で公文書改ざん事件を引き起こした安倍政権を厳しく批判し、安倍氏とは距離があるとされる。

このため、今回の福田氏の決起は「安倍さんへの反発や、進次郎離れではないか」(自民幹部)との見方も出る。このため、若手代表での福田氏の総裁選出馬を推す声もあったとされる。

グループとしての存在感には疑問符

ただ、今回の若手の決起が総裁選の行方を変えるかどうかはなお疑問符が付く。というのも、90人という参加者が特定の候補に投票するのではなく、バラバラに投票することが確実だからだ。となれば、総裁選の帰趨を決めるグループとしての存在感は発揮できない。

70人の呼びかけ人の約3割が「比例代表選出」であることもグループの「弱点」だ。いずれも次期衆院選での生き残りは厳しいとみられており、党内の派閥領袖や大幹部は「ひよことしてピヨピヨ鳴いても、最後は鳥小屋に入れるだけ」と冷笑する。

しかし、過去に例のないガチンコ勝負の総裁選となれば、若手議員1人ひとりの投票で結果が決まる可能性は少なくない。候補者らもさっそく「党改革」の名目で若手の積極的登用をアピールしており、17日以降の総裁選本番での台風の目になることは間違いなさそうだ。

著者:泉 宏