考えてみてください。お客様がその商品を買おうと思っていれば、すでに問い合わせをしているか、購入しているはずです。現時点では、「買おうと思っていない相手」だからこそ、アウトバウンドで攻めの新規営業が必要なのです。

買うつもりのないお客様を相手に営業していれば、買われないケースが多くなるのは、ある意味、自然なこと。買われなかったという結果でムダに苦しむ必要はないのです。

「買わない理由」ほど改善しやすい

また、「買わない理由」に着目する意義はほかにもあります。先ほどのデータでも明らかですが、新規営業において「買われなかった数」は「売れた数」よりも、はるかに多くのサンプルが集まります。サンプルが多いということは、データの信憑性が高まるわけです。営業はどこまでいっても確率論です。対策も改善できる可能性が高い部分に時間や労力をかけるべきです。

加えて、「受注」というイベントは、営業プロセスの最後にやってきます。つまり、売れた要因を分析して次の営業活動に反映させるまでには時間がかかるのです。

一方で「買わない」というイベントは、営業プロセスにおいて受注より前のすべての行程で発生します。改善活動は早いに越したことはありません。

このように、買わない理由を集めることができれば、営業活動において成果をコントロールするための切り札になります。

これからはアポイントの場面や商談のなかで、お客様から発せられた「買わない理由」を記録に残すようにしましょう。もし失注しても、「今、ご導入いただけないのはどのような理由でしょうか?」「弊社が選ばれなかった理由を率直に教えてください」と確認してみてください。

その一言一言が、のちにきっと大きな財産になります。

著者:今井 晶也