幸い、SACの「Higg Index MSIスコア」のように、素材別のCO2排出量を算出できる仕組みが世の中に出てきており、すべてを自前で行う必要はない。

弊社のような外部のコンサルティングサービスを活用することも可能だ。すでにある知見を活用し、「自社のCO2排出量を早急に把握すること」が、はじめの一歩となる。

「目標」だけではなく「具体的な施策」まで落とし込む

【ステップ2】「施策設計とKPIのひもづけ」を行うこと

第2のステップは、事業に削減活動を組み込むための「施策設計とKPIのひもづけ」を行うことである。

自社の排出量を見える化し、トップダウンで削減目標を決めるのは重要だが、実現に向けては目標設定のみでは不十分だ。

全体目標を削減するために、生産・輸送・販売など、企業のバリューチェーンごとにどの程度CO2を削減する必要があるか、目標額を割り振り、どのようにそれを実現するか、具体的な施策まで落とし込まなくてはならない

同時に、各施策が計画どおり実行されているかを管理する指標、いわゆる「KPI」を設定することが必要だ。

たとえば、アパレル企業が「全社で50%のCO2排出削減」を掲げたとする。そのためには、製品レベルで8割のCO2を削減しなくてはならず、その削減策のひとつとして「CO2排出量の低い再生繊維の構成比を、現状の1割から5割に上げること」を施策にしたとしよう。

この場合、この構成比がKPIとなり、モニタリングする指標となる。削減目標を達成するには、このように事業活動に削減目標が埋め込まれるよう、「施策とKPIを丁寧に設計すること」が肝要だ。

【ステップ3】削減活動の実行を担保する「組織・ガバナンス設計」

第3のステップは、削減活動の実行を担保する「組織・ガバナンス設計」にある。多くの企業では、環境活動をコーポレートのCSR推進室が行っている。

しかしこれでは、「モニタリング」はできても「実行」にはつながらないことが多い。なぜなら、現場の企業活動に首を突っ込む、時には変えさせるような「権限」を持っていないからだ。

たとえば、世界最大のアパレルOEM企業、Li&Fungでは、環境活動を推進する「サステナビリティー委員会」は、「取締役以上の全役員」により運営されている