上で述べたのは、残念ながら、外国の話であって、日本の話ではない。

日本経済新聞(8月19日付)によると、2021年1〜3月の初診からの利用頻度は35道府県で人口10万人あたり月1回未満と、ほぼゼロだった。アメリカの3万回という数字と比べると、あまりの違いに声も出ない。

LINEが行った調査によると、日本で遠隔医療を「使っている」という回答は、全体で2%しかない。

デロイトトーマツが2020年6月に実施したアンケート調査結果によると、オンライン診療を「知っている」と回答した患者の比率は43.9%だが、「受診した」は1.9%にすぎない。

つまり、ほとんど使われていないということだ。

また、初診からオンライン診療に対応する医療機関は、全体の6.5%にすぎない(2021年4月末)。

日本では、血液検査をし、医師と話して薬をもらうだけのためにも、病院に通う必要がある。

そうしたことが在宅でできるだけで、状況は大きく変わる。上で述べた遠隔医療の先進国の状況は、うらやましい限りだ。

世界最先端のサービスなど望まない。もっと簡単なこと、やろうと思えばすぐにでもできることを実現してほしい。

コロナでの在宅診療にも力を発揮する。スマートフォンのカメラで喉の奥を撮影するだけで、かなりのことがわかるのだという。

あるいは、ウェアラブル端末でデータを取りそれを病院に送って結果を知ることだ。

日本では血液検査をするのはかかっている病院でしかできない。しかも、事前に予約をしておく必要がある。

血液検査だけなら、薬局でやってくれるところもあるし、自分で採血して送ると結果を教えてくれる血液検査キットも発売されている。ただし、問題があった場合に、医療と結びつかない。

越えられない医師会の壁

技術的には可能なのに、日本ではなぜ遠隔医療が拡大しないのか?

それは、規制が厳しいからだ。そして、規制が厳しいのは、医師会が遠隔医療に反対しているのが主な理由だ。

日本では、遠隔医療はあくまでも例外的なものであると考えられてきた。しかも、初診ではない場合についてのみ認めるのが原則だった。