そのうえで、マイルドハイブリッドのISGと違い、PHEVとしてモーター駆動を積極的に利用することで、直列3気筒エンジンの振動の影響が出やすい低〜中速域で負荷の大きい運転状況を克服しているのではないか。

ほかのエンジン(直列4気筒)では変速機に遊星歯車を使う通常の自動変速を利用するが、PHEVではDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を使う。昨今の自動変速機もロックアップ機構を用いることで滑りの少ない、また素早い変速を実現してきているが、DCTにより、奇数段と偶数段それぞれのクラッチを用いて、遅れなしに変速することが、直列3気筒で不得意とする回転数をあまり使わない制御とするのに一役買っているので、あえてDCTを選んだのだろう。ちなみにクラッチは湿式だ。

さらに、ボルボではディーゼルターボエンジン車の導入から、エンジン上部に騒音を抑える厚さ3cmほどのカバーを取り付けており、これがPHEVでも用いられ、騒音を客室へ届かせないことに役立っているようだ。

国産メーカーで3気筒を取り入れたトヨタ「ヤリス」

トヨタのコンパクトカー「ヤリス」も3気筒エンジンを採用(写真:トヨタ自動車)

国産車の代表として、トヨタの「ヤリス」がある。競合車としてホンダ「フィット」があるが、こちらは直列4気筒エンジンを使う。新型の日産「ノート」は直列3気筒だが、シリーズ式ハイブリッドとして発電用に使うため、走行の動力としてもエンジンを利用するヤリスのシリーズ・パラレル式や、ゴルフ8のマイルドハイブリッド、あるいはボルボXC40PHEVとも違った利用の仕方だ。

ヤリスのプラットフォーム(写真:トヨタ自動車)

ヤリスの直列3気筒エンジンには、1.0Lと1.5Lの2種類があり、このうち1.0Lはダイハツが開発した登録車のコンパクトカー用である。たとえば、SUV(スポーツ多目的車)のトヨタ「ライズ」に使われているが、こちらはターボチャージャーで過給されているのに対し、ヤリスは自然吸気なので出力も低い。どちらかといえば、営業車やレンタカー向けの仕様と考えられる。

トヨタは、ガソリンエンジンの高効率化を目指して、ダイナミックフォースエンジンと呼ぶ開発を行い、これがヤリスの1.5L直列3気筒ガソリンエンジンにも適用されている。ターボチャージャーなど過給を使う欧州のダウンサイジングとは別に、ライトサイジングとの考えから自然吸気を基本とする。