自販連が毎月、発表している登録台数ランキングを見ると、上位のほとんどがトヨタ車で占められている。直近となる2021年8月のランキングでは、上位10車種のうち7車種がトヨタ車だった。しかも、1位から3位は、すべてトヨタ車だ。

■乗用車ブランド通称名別順位(2021年8月)
1位:トヨタ ヤリス (1万8476台)
2位:トヨタ ルーミー(1万347台)
3位:トヨタ アクア (9442台)
4位: 日産 ノート (7157台)
5位:トヨタ カローラ(7108台)
6位:トヨタ アルファード(6483台)
7位:トヨタ ライズ (5920台)
8位:ホンダ フリード(5200台)
9位:トヨタ ハリアー(4987台)
10位:ホンダ ヴェゼル(4404台)
出所:一般社団法人日本自動車販売協会連合会

しかし、これだけ登録台数が多いにもかかわらず、最近のトヨタ車は全般的に納期が長い。最長は、2021年7月に登場した新型「ランドクルーザー」で、メーカーは「1年以上」と案内しているが、販売店では「納車までに少なくとも2年以上を要する」という。

同様に9月14日に発売されたばかりの新型車、「カローラ クロス」もすでに納期は4〜6カ月で、中でもハイブリッドは長めだというのだ。

9月14日に発売された「カローラ クロス」(写真:トヨタ自動車)

特にSグレードは、ほかのグレードに比べて納期が1〜2カ月長い。グレードによって生産の開始時期に差を付けており、なおかつSグレードは、発売後半年間は定額制でクルマを使うKINTOの専用車になるからだ。

このほか、登録台数ランキングの上位に入る車種の納期を販売店に尋ねると、「ヤリスクロスは8〜9カ月、ハリアーは5〜7カ月、アルファードは5〜6カ月。ヤリスも3〜4カ月を要する」と返答された。販売が好調なSUVを中心に、人気車の納期は半年前後に達するのだ。

納期遅延、2つの理由

こうした長い納期の理由を販売店に尋ねると、以下のように返答された。

「納期が長い理由は、大きく分けて2つある。ひとつは昨今の半導体不足だ。半導体以外の部品も、海外を含めてコロナ禍の影響により滞っている。2つ目の理由は、トヨタ車の販売が好調なこと。ありがたい話だが、受注台数に対してメーカーの生産体制が追い付いていない」

つまり、登録台数ランキングの上位を独占できたのは、“生産が追い付かないほど売れているため”といえるだろう。現在、国内で新車として売られる小型/普通車の内、トヨタ車の比率は53%(レクサスを含む)に達する。

では、なぜトヨタ車の販売がここまで好調なのか。商品力が高いのは当然として、そのほかの理由に“ライバルメーカーの弱体化”も挙げられる。

まずホンダでは、軽自動車の「N-BOX」が、国内で新車として売られるホンダ車の30%以上を占める。そこに「N-WGN」なども加えると、ホンダの国内販売の50%以上が軽自動車だ。日産も国内で販売される新車の30%以上を、「デイズ」や「ルークス」といった軽自動車が占める。