一般に、鉄道関連のイベントには子どもの来場が多い。鎌倉車両センターのイベントも親子連れが対象だ。ただ、親子ともども鉄道が好きでないと気軽に参加するにはちょっと高いかもしれない。

JR東日本横浜支社広報部によると、今回のイベントはファン向けということでターゲットを絞るためにこのような形にしたという。その代わり、通常は立ち入れないところも案内することで参加者に満足してもらい、イベントとしての特別感を出す狙いがあるという。よりコアな層に訴求する内容にしたわけだ。

日ごろは見られない場所や体験など、内容を充実させたツアー形式の有料イベントに力を入れているのが東武鉄道だ。昨年12月には、「SL大樹」の重連運転試乗会の体験ツアーがあり、SLの重連往復走行を体験できた。東武トップツアーズが企画、実施したツアーで、参加費は大人1万6000円から2万円だったが、「GoToトラベル」事業支援対象だったため、実際にはより安く参加できた。このほか、「りょうもう」号の200型登場30周年を記念し、同車両に乗って車両解体場などを訪ねるツアーも実施している。

このように、私鉄の場合はグループの旅行会社が企画する形も多い。京成グループの京成トラベルサービスは、車両基地見学やミステリーツアー、日頃は運行しない車両で成田スカイアクセス線を走るツアーなどを京成電鉄の後援で企画している。9月19日と20日には「親子で電車運転シミュレータ体験プログラム」を実施した。京成の「動力車操縦者養成課程」を子ども向けにアレンジした1泊2日のツアーである。車掌区見学や講義、電車運転シミュレータ操作体験といった内容で、参加費は親子2人で10万円。このあたりのイベントとなると、プレミア感も相当なものとなる。

「実費相当」の例も

有料でも安価な例もある。コロナ感染拡大で中止になったものの、小田急電鉄は今年夏に「小田急グループ 親子体験イベント2021」を開催する予定だった。鉄道に限らず小田急グループの仕事を体験してもらうという内容で、その中の1つに「ファミリー鉄道教室」があった。

これは小学生とその保護者16組32人が参加可能で、参加費は1組1000円。運転士・車掌の仕事紹介や、電車の仕組み、安全運行、乗車マナーについて学ぶほか、基地では洗車機による車両洗浄の乗車体験が予定されていた。

これまでに紹介したイベントと比べて安いが、その理由を小田急に聞くと、「実費相当をいただいている」とのことだった。この程度なら親がそれほど鉄道に興味がなくても支払うのに躊躇はないかもしれない。ただ、小田急もグループの小田急トラベルによるツアー形式のイベントはそれなりの金額である。