10月7日22時41分、首都圏を強い地震が襲った。最大震度5強を観測。震源地が内陸部だったため津波の心配はなかったが、もし海底で発生していたらと思うとぞっとする。

東京周辺の鉄道路線の中で、異端ともいえる独特の車窓風景が広がるのがJR鶴見線だ。行き止まり式の海芝浦駅は、ホームの隣がすぐ海。正確にいえば京浜運河の先端部だが、首都高速湾岸線の鶴見つばさ橋を遠望し、潮風が心地いい。

鶴見線沿線にはJFEスチール、東芝エネルギーシステムズ、昭和電工などの大工場が立地し、電車は工場地帯に張り巡らされた運河をいくつか渡っていく。休日など乗り鉄を楽しむファンを数多くみかける路線である。

鶴見線は海が近い。では、もし鶴見線の電車に乗っているとき、またはホームで待っているときに大地震が起き、津波注意報や津波警報、はたまた大津波警報が発出されたら、どうなるのだろうか。

30年以内に大地震が起きる可能性は7〜8割

南海トラフでM(マグニチュード)8〜9クラスの巨大地震が30年以内に発生する確率は70〜80%、相模トラフでM7クラスの発生が同70%程度とされている(政府地震調査研究推進本部)。

南海トラフ地震は伊豆半島の西側から宮崎県にかけての陸地と海が震源域、相模トラフ地震は、伊豆半島東側の相模湾周辺が震源域である。1923年の関東大震災(M7.9)は相模トラフのプレート境界で発生した地震災害であり、南海トラフは首都圏からはやや遠くなるが、地震のエネルギーは巨大となる可能性があるものだ。

今回鶴見線を例として取り上げるが、これは津波襲来が想定される鉄道路線共通の問題でもあることを最初に申し述べておきたい。

とくに鶴見線海芝浦駅のようにホームのすぐ脇が海、といった場所で地震に遭い、津波警報に接すると、誰もが強い不安感に襲われるだろう。また鶴見線の各駅(鶴見駅を除く)のように無人駅の場合、避難誘導してくれる駅員はいない。