WILL・MUST・CANのズレの修正は「働かないおじさん」本人にとって「予期せぬ変化」や「望まない変化」となるケースが多いようです。

一般的に、「能力の低い人ほど、自分の能力や状態を客観的に認知・修正する能力も低いため、自分を過大評価してギャップが大きくなる」という「ダニング=クルーガー効果」も働きます。

そのため、上司のフィードバックに対して、「成果が出ていない人ほど反発しやすい」「変化に抵抗感を示しやすい」という状況になりがちです。

ただし、こうした反発は、あくまで「人として自然な反応」です。

相手の状態や心理への理解に努めながら話し合いを尽くすことで、やがて「働かないおじさん」たちも、姿勢を変化させることが多くあります。

具体的には「否定」「抵抗」「探求」「決意」という4つのフェーズを経て、最終的には変化を受け入れ、行動が変わっていくとされています。

各フェーズにおける本人の状態と、上司や周囲のサポート方法を紹介していきましょう。

4つのフェーズにおける本人の状態

●否定フェーズ

「予期せぬ変化」「望まぬ変化」をいきなり受容する人も中にはいますが、それは非常にまれなケースで、多くの人は「自分には関係ない(根拠なき楽観)」や「たいした変化は起こらない(過小評価)」と思いがちです。

こうした心理状態が、最初の心理状態「否定」です。

例えば、自社の決算情報や社長の動画メッセージで「会社の状況は厳しい」「当社には変化が必要だ」という情報を見ても「自分の仕事や状況はとりあえず明日も変わらない」「うちの会社(自分)は大丈夫」と根拠なく思い込んでしまう人は意外と多いです。

これは、「自分だけは大丈夫だ」と思いたい(思い込む)、「正常性バイアス(または現状維持バイアス)」という心理が働くためです。

否定フェーズで本人が行うことは、「情報収集」です。

「周りで何が起きているのか」「今後どういう状況になるのか」「変化しないと、どんなリスクがあるのか」「変化すると、どんなチャンスがあるのか」について、不都合な事実も含めてキチンと正しい情報を集めて向き合うことです。

上司の側から言えば、「厳しいことでも、キチンと情報を伝える」ことが必要です。

●抵抗フェーズ

最初は「自分には関係ない」という否定フェーズだった人も、正しい情報を収集することで「自分の置かれた状況を考えれば、今後は自分から変化していかないと厳しい」という現実だけは受け入れるようになります。
しかし、この段階ではまだ「頭では理解できるが、感情的に納得できない」という抵抗感を抱くケースが多いです。