自民党総裁選で本命視されながら「完敗」したのが河野太郎前規制改革相。最大の敗因は小泉進次郎前環境相、石破茂元幹事長と組んだいわゆる「小石河」連合への、大派閥幹部をはじめとする多くの自民党議員の冷たい視線だった。

9年近く続いた「安倍・菅政権」下での次の首相候補の人気番付でトップを争い続けたのが河野、小泉、石破3氏。「トリオを組めば負けるはずがないとの思い込み」(自民幹部)が、権謀術数渦巻く総裁選での多数派工作の手抜きにつながり、「人気者ゆえの上から目線」(若手)が多くの自民議員を敵に回したのが実態だ。

一敗地にまみれた3氏は、すでにそれぞれの立場で未来を見据えている。河野氏は党7役の末席とされる広報本部長、小泉、石破両氏は実質的に「無役」となり、“冷や飯食い”を余儀なくされる。ただ、党内の見方は3者3様でもある。

河野氏は新政権発足後の世論調査でも次期首相候補ではトップを独走、国民の期待はなお根強い。その一方、小泉氏は人気低落が際立ち、石破氏は「首相候補ではその他大勢のグループ」(若手)に追いやられつつある。

露出が減った小泉氏、石破氏は「もう終わった人」

初当選以来、注目され続けた小泉氏は一気にメディア露出が減り、「最強の応援弁士」との評価も失われつつある。「可能性がある限り(総理総裁への)挑戦は続ける」と語る石破氏は、石破派からの離脱者が相次ぐ事態も受けて「もう終わった人」(自民長老)との見方が支配的だ。

そもそも今回の総裁選を振り返ると、政界では「河野氏の自滅」(首相経験者)との指摘が多い。大手紙など各メディアが累次実施してきた世論調査での「次期首相候補は誰」との人気投票における、「小石河」連合3氏の支持を単純合計すれば、1桁の下位に低迷していた岸田氏の10倍以上だったのは事実だ。

だからこそ河野陣営は、一般国民の感覚に近いとされる党員・党友投票で「最低でも7割以上の圧勝」を狙った。「そうなれば、目前に衆院選を控えた国会議員票も河野支持に雪崩を打つ」(河野氏周辺)との思惑からだ。