「みずほが再びお客様や社会から信頼される存在となれるよう、経営陣が率先して全力を尽くしていきます」

8月30日、みずほフィナンシャルグループ(FG)の従業員の元には、FGの坂井辰史社長と、みずほ銀行の藤原弘治頭取の連名でこんなメールが届いた。

今年に入ってシステム障害が相次いで発生していることを受けたもので、復旧や顧客対応に当たる行員に対する感謝や、実態解明と再発防止策策定に向けた意気込みがつづられている。しかしメールには障害の原因や責任について、一言も触れられていない。そのため「文章が長いだけで中身はなく、記憶にさえ残らないようなものだ」(みずほの中堅幹部)と行員たちの反応は冷ややかだ。

それでなくても現場は大忙しだ。「顧客からシステムについて聞かれない日がない」(20代の法人営業担当)にもかかわらず、「会社から報道されている以上の具体的説明はない」(同)。「再発しないとは言い切れないので、とにかく謝るしかない」と行員たちは諦め顔だ。

検査中に異例の措置に踏み切った金融庁

実際、システム障害に関し改善の気配は見えない。8回の障害の中には、原因が把握し切れていないものもあったという体たらくだ。

ところが、みずほの危機感は薄い。システム更改の計画には、「能動的にアクションを起こすものがあった」(金融庁幹部)。つまり、問題解決が終わっていないのに新規サービス拡充を図っていたというのだ。

これに対し金融庁は、「少なくとも今はそういう局面ではない」(同)と怒り心頭。「改めて、気合を入れてもらう必要がある」(同)と、金融検査中にもかかわらず、業務改善命令を出した。

『週刊東洋経済』は10月18日発売号で「みずほ 解けない呪縛」を特集。出口が見えないシステム障害の原因を多角的に分析するとともに、みずほの将来について取り上げる。

もともと、みずほへの改善命令はもっと早く出されていたはずだった。ところが、まさに命令が下ろうという8月20日、みずほが5回目の障害を起こしてしまう。これには金融庁も激怒。さらにその後も障害が相次ぐという出口の見えない状況に、金融庁は検査終了後に業務改善命令を出すという通常の処分では足りないと判断したわけだ。

命令では、みずほが計画しているシステム更改、更新の計画を見直し、金融庁に報告することを求めている。「報告された計画や内容に対して必要な確認や検証をし、言うべき部分があれば指摘、やり取りをしていく」(金融庁)という。みずほだけに任せていては障害は止まらない、という危機感が見て取れる。