スペイン・マドリードでのCOP25の閉会式の様子(写真提供:WWF JAPAN)

日本では、温室効果ガス排出量の8割以上が石炭や石油といったエネルギー起源のCO2で占められている。つまり日本にとっては、温暖化対策とはイコール、エネルギー分野での削減策だ。

46%削減を実現するには、エネルギー分野における排出削減の実現可能性がカギとなるが、日本の2030年度に向けて策定された新たなエネルギー基本計画(第6次エネルギー基本計画)では疑問符がつく内容が散見される。

その筆頭が、最もCO2排出量の多い石炭火力発電の扱いだ。2030年度時点でも石炭火力発電は発電電力量のうち19%を占める。また、燃焼時にCO2を排出しないアンモニア燃料などを石炭と混ぜて燃焼させることにより、2050年にかけて石炭火力を使い続ける意思が示されている。しかも、福島原発事故を機に落ち込んだ原発については、現在のわずか6%程度から2030年度に20〜22%まで復元することを想定している。

このために必要になる原発の稼働基数は30基程度ともなる。現在の安全審査や再稼働に向けての状況からみても、その実現はほぼ不可能だろう。結果的に再び火力発電頼みになることも容易に想像できる。

石炭火力発電への風当たりは強い

欧米各国が見直しを進める中でも、日本は国内のみならず発展途上国でも石炭火力発電所の建設を進めてきた。グテーレス国連事務総長は名指しこそしなかったものの、「石炭中毒の国」という言葉で日本の姿勢を強く批判してきた。今年になって日本はようやく石炭火力発電設備の新規輸出を停止することを決めたため、この面では日本は批判を免れられるだろう。その一方で、国内の石炭火力発電を継続する方針に変わりはない。そのため、国際社会の非難の矛先が再び日本に向かうことも予想される。

COP26ホスト国イギリスのジョンソン首相は、COP26に先立って、各国に4つの具体策として(1)石炭火力発電の廃止、(2)ガソリン車の禁止、(3)発展途上国への資金約束を果たすこと、そして(4)植林の推進を呼びかけた。中でも石炭火力発電について、「先進国は2030年まで、途上国は2040年までに廃止すること」を迫っている。この呼びかけは特に日本に向けられていると言っても過言ではない。

国連会議では通常、各国の国内政策については内政干渉となるため触れることはない。しかし、パリ協定のNDCは削減の具体策を提出することが求められるために、ジョンソン首相はあえて踏み込んだとみられる。かくも石炭火力発電に国際社会の批判が向けられていることを肝に銘じて、日本はCOP26に臨まなくてはならない。