中国のスマートフォン大手のOPPO(オッポ)が、回線幅3nm(ナノメートル)のプロセス技術を用いた半導体の独自開発に着手したことがわかった。10月21日、財新記者が半導体業界の複数の関係者から証言を得た。

もし実現すれば、OPPOはアメリカのアップル、グーグル、韓国のサムスン電子、中国の華為技術(ファーウェイ)などに続いて、自社製品の心臓部に独自SoCを搭載するスマホメーカーの1社となる(訳注:SoCはシステムオンチップの略称。CPUや通信モデムなどの基幹機能を1つのチップにまとめたもの)。

日本経済新聞社は10月20日、OPPOが3nmプロセスで自社設計したSoCの製造を半導体受託製造(ファウンドリー)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)に委託し、2023〜2024年に投入するフラッグシップ・スマホに搭載すると報じた。この報道に対してOPPOはコメントを控えた。

半導体業界の内情に詳しい中国の関係者によれば、OPPOの半導体設計チームの中心メンバーは、台湾のスマホ用SoC大手の聯発科技(メディアテック)などから移籍した技術者であり、先端技術を用いた半導体の開発経験を持つ。この関係者によれば、OPPOの独自SoCの投入時期は、TSMCが3nmプロセスの量産技術をいつ確立できるかに左右されるという。

狙いはコスト低減と差別化

中国の半導体業界では、OPPOが独自SoCの開発に乗り出していることは公然の秘密だった。同社は2020年から上海で大がかりな人材募集を始めており、中国の半導体設計大手の紫光展鋭(UNISOC)からも少なからぬ人数の技術者を引き抜いている。

スマホメーカーが独自SoCを開発するメリットは、主に2つある。1つ目は開発コストの低減だ。自社開発のSoCを搭載したスマホは、大量に売れば売るほど(SoCの開発費用は一定なので)1台当たりの開発コストが下がる。アメリカのスマホ用SoC大手のクアルコムなどからチップを購入する場合に比べて、コストがおよそ半分になるとの見方もある。

本記事は「財新」の提供記事です

2つ目のメリットは、競合他社との製品の差別化だ。ハイエンドのスマホ市場で大きなシェアを持つアップルとサムスン電子は、10年以上前から独自SoCを搭載して他社との違いをアピールしてきた。グーグルは、2021年10月に発売した新型スマホ「Pixel(ピクセル)6」に初の独自開発SoCである「Tensor(テンサー)」を搭載し、ハイエンド市場でのシェア奪取を目指している。

これに対して、独自SoCを持たないOPPO、小米(シャオミ)、vivo(ビーボ)などはローエンドからミドルクラスの機種が主力であり、ハイエンド市場では苦戦を強いられている。

(財新記者:張而弛)
※原文の配信は10月21日

著者:財新 Biz&Tech