従業員規模別では、規模が大きいほど新卒3年後離職率が低くなる傾向がある。5人未満の56.3%と半数を超す一方、1000人以上では24.7%と5人未満と比べ新卒3年後離職率は半減する。

それでは個別会社の離職率はどうなっているのか、『就職四季報2023年版』(総合版)では、3年後離職率を掲載しているが、今回離職率の低い会社すなわち定着率の高い会社を集計。そこから年収の高い会社を抽出し、「給料が高く新卒が辞めない会社」ランキングとして紹介したい。

なお、ランキングは2018年の入社人数が10人以上で、かつ平均年収800万円以上の会社を対象とし、定着率(定着率が同数の場合は年収)の順にランキングしている。

2年連続定着率100%の会社は5社

定着率100%の会社は15社。昨年度に比べ10社減少した。タクマはボイラー製造大手で、ゴミ焼却炉や水処理装置も手掛けている。加賀電子は電子部品商社の大手で、受託製造(EMS)も展開している。ダイヘンは独立系の電力機器メーカーで、自動車製造用のアーク溶接ロボットでは世界大手だ。

2年連続定着率100%の会社は、5社(NTT都市開発愛知製鋼三井不動産東京ドーム東京建物)と昨年より2社減少した。

ランキング掲載会社を業種別で見ると、建設26社(29位竹中工務店、34位鹿島、49位清水建設、51位千代田化工建設、55位横河ブリッジホールディングスほか)、化学21社(19位東ソー、28位宇部興産、37位住友化学、60位富士フイルム、63位DICほか)、商社・卸売業18社(1位加賀電子、20位住友商事、44位三井物産、51位伊藤忠エネクス、62位三菱商事)と続く。3年連続でこの3業種がトップ3を占めており、定着率の高い業界といえる。

ランキングを見る際には、入社人数にも注意してほしい。18年に1202人が入社した194位の日本製鉄は離職者が1人で0.1%に満たない変動幅だが、トップタイの東宝や163位にランクインしている日鉄興和不動産アジレント・テクノロジーJECCは離職者が1人で10%変動する。複数年の離職率の傾向を確認してほしい。

ランキングを眺めて、志望業種の会社や知らない会社があれば積極的に調べてみることだ。業界研究や企業研究のきっかけとしては十分だろう。広報解禁まで残すところ3カ月。冬のインターンシップも開催され、企業研究をする時間も思ったほど取れない。『就職四季報』掲載のデータを活用し効率的に会社研究を進めてほしい。