発売されている「デイパック」(2980円)と「ウィークエンドパック(3980円)の2種類はいずれも同じ商品の3個詰め合わせだが、後者は1個1個、シックで高級感のあるデザインの、オリジナルの化粧箱に入れられて届く。週末の自分へのご褒美や、プレゼント用途を意図しているそうだ。

家で過ごす時間を特別なものに演出するスイーツ。ヌクメルではさらなる価値付けのため、包材にも工夫を凝らした。ウィークエンドパック3個入り3980円(撮影:今井康一)

10月4日に発売され、上限の200箱は即完売。その後も毎週日、月曜日の午後9時から予約を受け付けているが、毎回3分前後で売り切れるという。

ヌクメルについて、長沼氏自身は次のように評価している。

「自分の小さな頃の思い出である、温かいチーズケーキのおいしさはいつか挑戦してみたかった。包装にも新たな観点からこだわりました。SNSに写真をアップするお客様もいて、体験を楽しんでいただけているという感触です」(長沼氏)

ただ、発売後衰えることない人気ゆえの課題も見えてきた。質感や素材にこだわり特注生産している陶器が原因で、生産量を一気に増やすことができないのだという。そのため11月末から2022年春までヌクメルの生産を一時停止し、生産体制を整備することとなった。

長沼氏によれば、「必ずよりよい形で再度皆様のお手元にお届けできるよう、尽力していきたい」とのことだ。

秋冬の新作商品とは?

最後に、長沼氏が仕掛ける秋冬の新作商品についても触れておこう。

SNOWS(スノー)というブランドから発売される3つの商品だ。

SNOWSAND(5個入918円)は冬季限定のスイーツ。2021年2月から3月中旬までの期間限定で発売されたが、初日から30分でオンライン販売分が完売。2カ月で約50万個を売り上げた。生チョコレートをラングドシャクッキーで挟んだクッキーサンドだが、味の秘密はユートピアアグリカルチャーで運営する牧場の牛乳を使った、中身の生チョコレートにある。

「牛乳の栄養成分や味わいは季節によって違うんですよ。冬の牛乳は脂肪分が高くて、後味にコクがあります。この味わいが生チョコレートに合う。あえて冬季に限定したのは、冬にしかつくれないスイーツだからなのです」(長沼氏)

11月に発売されたSNOWSブランドの3商品。奥から時計回りに「森ノ幹」2160円、「森ノ木」10個入1080円、SNOWSAND5個入918円(撮影:今井康一)

ほかに枝のような形状が可愛らしいバターミルクチョコレート「森ノ木」(10個入り1080円)や、マカロンバームクーヘン「森ノ幹」(2160円)を合わせた3商品を、11月より通販およびポップアップストア(北海道・東京・大阪で順次開催)で販売した。発売後4週間経過している現在も、オンラインストアの在庫分はほぼ毎日完売、百貨店での売り上げも好調のようだ。

スイーツのみならず飲食全体において、素材を重視する傾向はコロナ以前から始まっており、今、さらに大きな潮流へと成長してきた。そして素材と言えば北海道だ。中でもスイーツの素材である乳製品が豊富に生産されている地である。こうした強みを背景に、ネット通販、冷凍という新たなトレンドでも、北海道発のスイーツがリードしているようだ。

著者:圓岡 志麻