飯野川は元のミヤコーバスの車庫の跡で待合室もあり、石巻市中心部との間に走るミヤコーバスと住民バスとの乗り継ぎ拠点となっている。筆者が乗った北上地区住民バスは珍しくマイクロバスに5人も利用客があり、都市部でもない限り、これまで見られなかった「盛況」。運転士は乗り込む時に行先を聞いて、運賃を受け取る。神割崎入口までは300円。

バスは旧北上町の中枢施設と住民の移転先ともなった高台の「にっこりサンパーク」にも立ち寄る。やはり高台の団地(集落の集団移転先)もあるのだが、この線は中まで入らず、バス停は入口にある。

北上地区市民バスは終点神割崎入口で南三陸乗合バスに接続(筆者撮影)

神割崎入口と志津川をつなぐ南三陸町の乗合バス(筆者撮影)

飯野川から約1時間、15時55分に神割崎入口に着いた。バスの転回場があるだけの道端だが、バス停のポールが2本並んで立っている。運転士は親切に「志津川行きに乗るなら、そちらの道から上がってきますから」と教えてくれた。奇跡的に15時57分発の戸倉線がすぐ来る。

志津川行きの南三陸乗合バス戸倉線もまた、マイクロバス。300円払って終点まで乗ったが、乗客は終始1人だった。石巻市側とは少し地形が変わって、海岸線の出入りが少なくなり、開けた感じがする。

こちらにも「団地」がある。地域の中心地らしい大きめの戸倉団地ではバスは中に入り、団地内に限りフリー乗降区間となる。BRT気仙沼線陸前戸倉駅前まで来ると、見慣れた風景だ。BRTにも乗り継げるが、バスは三陸地方の交通軸である国道45号に入るので、そのまま海岸線沿いを進む。

まだ仮設のBRT志津川駅

旧志津川町の中心部を一回りし、元のJR志津川駅跡近くも通ったはずだが、薄暗くなってきてよくわからなかった。現在の南三陸乗合バスのターミナルはBRTと同じところ。復興が進む商業地域の一角にある。

BRTと乗合バスの志津川駅(筆者撮影)

BRT志津川駅も何度か移転を繰り返してきたが、現在の待合室や窓口もまた仮設で、2022年2月には道の駅「さんさん南三陸」内に整備される交通ターミナルへ移り、ようやく落ち着く。ただ、役場を始めとする町の施設や新しい住宅地などは東側の高台の上に移っており、町の機能は分散。BRTも乗合バスも丹念にめぐるよう経路を工夫し、利便性を高める努力をしている。乗ってきたバスも16時29分着の志津川駅が終点ではなく、南三陸病院まで行く。