育児休業の対象となるのは、1歳未満の子を養育する男女労働者で、子1人に対して原則1回の取得が可能です。ただし、パパとママがともに育児休業を取る場合、原則1歳2カ月に達する日まで延長される「パパ・ママ育休プラス」の特例があります。対象となるのは以下のケースです。

・子が1歳に達するまでに配偶者が育児休業を取得している
・本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前である
・本人の育児休業開始予定日は、配偶者が取得している育児休業の初日以降である

たとえば、ママの産後休業が終了した後、そのまま育休期間に入ったとします。その後、子どもが1歳になる前にパパが育休を開始すると、パパは子どもが1歳2カ月になるまで育休を取ることができます。

「パパ休暇」の特例もあります。前述のように、育児休業は子1人に対して原則1回ですが、子の出生後、パパが8週間以内に育児休業を取得した場合、特別な事情がなくても、再度、育児休業が取得できるというものです。特例の要件は以下のとおりです。

・子の出生後8週間以内に育児休業を取得している
・子の出生後8週間以内に育児休業が終了している

産後6〜8週間は母体が妊娠前の状態に回復するために必要な期間です。この期間にパパが育休を取って家事や子どもの世話を担うことができれば、ママは無理をすることなく体力を回復できます。そうすれば、パパはもう一度育休を取れますから、次は保育園の入園準備のために充てることもできます。

頼りなさや不安も共有することが第一歩

2022年10月から男性版産休ともいわれる「出生時育児休業」がスタートします。子どもが生まれて8週間以内に、育休とは別に4週間まで取得可能というものです。分割して2回取得することもできます。それに先立つ4月から、育児休業を取得しやすい雇用環境の整備が企業に義務付けられます。男性も女性も働きながら子育てできる制度が整ってくるにしたがって、世の中の雰囲気にも変化が現れてくるでしょう。

子どもを産んだからといって、女性が自然体で子どもの世話ができるかといえば、そんなことはまったくありません。夫が「赤ちゃんってどう扱っていいかわからない」と考えるように、妻だって「どう扱っていいかわからない」のです。

誰かのケアがないと生きていけない命が家族の一員として現れるわけですから、責任の重さに押しつぶされそうになり、時には赤ちゃんと一緒に大泣きしたりしながら、親も少しずつ育っていくしかありません。

この頼りなさや不安を夫婦で共有することが、家族の歴史の大切な1コマとなります。せっかく育休という制度があるのですから、新たな家族の歴史をつくるために、有意義に活用してはいかがでしょうか。

(※1)厚生労働省「令和2年度雇用均等基本調査」
(※2)内閣府「第3回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」
(※3)社会保険料が免除となるのは育休終了日翌日の前月までであるため、1カ月未満の育休では免除対象とならないことがある

著者:内藤 眞弓