安倍氏は11月30日、わざわざ首相官邸に出向いて岸田首相と面会した。名目は安倍派会長への就任報告で、約20分間の会談後、安倍氏は記者団に「党内の最大の政策グループとして、これからも岸田政権をしっかりと支えていくということについて、派の総意としてお伝えした」と笑顔で語ってみせた。

安倍氏の官邸訪問は、首相辞任後初めて。連絡を受けた岸田首相はエントランスホールで安倍氏を出迎え、会談終了後も同ホールまで同伴して、丁寧に頭を下げて見送る配慮をみせた。

こうした岸田、安倍両氏の表向きの蜜月ムードの中、臨時国会が召集された12月6日夜に都内のホテルで盛大に開催されたのが安倍派(清和政策研究会、95人)パーティーだった。

最大派閥の領袖となった安倍氏のお披露目とあって、岸田首相、山口那津男公明党代表、麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長ら政権中枢がこぞって駆け付け、約2000人の参加者で満員の会場を盛り上げた。

高市政調会長に注目が集まったワケ

冒頭、主催者としてあいさつした安倍氏は「日本政治の背骨を担ってきたわれわれ95人の清和会が、一致団結してしっかりと岸田政権を支えていく。それが私たちの責任だ」と最大限の表現で岸田政権支持を強調。岸田首相も「(安倍派が)政権のど真ん中で支えてくださっている。これが政治の安定に大きな意味を持つ」などとこちらも熱いエールを返してみせた。

安倍氏の盟友で岸田首相の後見役も担う麻生太郎副総裁は「主要国の中で一番政権が安定しているのが日本だ」と指摘。茂木幹事長も「会場を見渡しても清和会の勢いはすごい、派閥の領袖として安倍、麻生両氏とともに内閣を支えたい」と主流派の結束を訴えた。

各来賓の挨拶は「歯の浮くような安倍氏礼賛」(関係者)に終始したが、その中で一番注目されたのが高市政調会長だ。安倍氏の支援で総裁選出馬にこぎつけ、岸田氏を脅かす健闘で一躍、「次の総理総裁の有力候補」にのしあがったからだ。