――鉄道とともにホテル事業も苦戦が続いています。

この1年くらいを見るとおおむね地方から稼働率が回復しつつあるが、都内は遅く、とくにビジネス客中心の平日が弱い。東京五輪の需要に向けて相当準備してきたのが重荷になっており、構造改革を進めている。

――具体的にはどのような施策ですか。

費用の面では、従来はフロント、客室、といったように縦割りだった従業員の業務をマルチタスク化し、さらに同じエリア内にいくつかあるホテルを一定数の従業員で回すといった方法で効率化を進めていく。人材のカットはせず新規採用を抑えて、結果的に2年くらいかけて要員をスリム化する形にしてしのぎながら、インバウンド需要が戻ってきたときに対応できる体制にしたい。

増収策としては、デイユースや長期滞在者向けなど、客室の利用方法を多様化していく。全国のホテルを期間内定額で利用できるサービス「TsugiTsugi(ツギツギ)」も反響は大きく、さらに高度化しながら進めていきたい。

――すでに営業終了したホテルもありますが、今後も整理する考えはありますか。大手私鉄ではホテルの資産売却を表明している会社もあります。

ホテルはコロナ前から需給バランスが崩れて乱立しているような状況があったので、長期的に考えたときに厳しいという判断に至ったところはやめようと。コロナの影響がまったくないとは言わないが、もともとそういう考え方で筋肉質な事業にしようとやってきたし、それはこれからも変わらない。資産売却はホテル事業単体では考えていない。

渋谷の再開発はコロナ禍で変わるか

――コロナ禍で都心離れやオフィス離れが指摘されますが、渋谷の再開発に影響はありますか。

オフィスについては、現在建設中の施設もすでに引き合いは多い。油断してはいけないが、単にビルを建てるのではなく、付加価値を感じてもらえるよう工夫すれば需要は取り込めると思っている。

スタートアップ企業が成長とともに周辺から渋谷に集まってくるとか、または成長に伴って一旦離れた企業が再び渋谷に戻ってくるとか、そういった時に中途半端なビルだとニーズが低くなる。例えば渋谷ストリーム(グーグル日本法人などが入居)なら川が流れているとかそういった工夫をしてきている。従来とは違うオフィス環境を提供することで付加価値を高めていきたい。