中国の民営物流最大手の順豊控股(SFホールディング)は3月30日、2021年の通期決算を発表した。それによれば、同年の売上高は2071億8700万元(約3兆9747億円)と前年比34.6%増加。その一方、一時損益を控除した調整後純利益は18億3400万元(約352億円)と、前年比70.1%減の大幅減益となった。

順豊控股は事業セグメントを「(フルサービスの)宅配便」「ローコスト宅配便」「サプライチェーンおよび国際物流」「大型貨物輸送」「保冷物流および医薬品物流」「同一都市内のスピード配送」「その他の非物流業務」の7つに分け、それぞれの業績を開示している。2021年は、これら7部門のすべてで増収を達成した。

だが、同社にとって創業以来の中核事業である(フルサービスの)宅配便は、2021年の売上高の成長率が前年比7.3%と、2020年の同17.4%と比べて顕著に減速した。決算報告書の説明によれば、2020年は中国国内での新型コロナウイルスの流行期に大量の防疫物資を緊急輸送したため、2021年はその反動で見かけ上の伸び率が低下したという。

他社買収で国際物流事業が急拡大

ローコスト宅配便は、別名「電商件(ネット通販便)」と呼ばれている。過去数年、順豊控股がとくに力を注いできたセグメントであり、2021年の売上高は前年比54.7%の大幅増を記録した。しかし電商件はもともと粗利率が低く、2021年1〜3月期には(人件費や輸送コストの上昇などで)巨額の赤字が発生。通期決算の大幅減益の主因になった。

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その後、順豊控股は事業構造を見直し、相対的に利幅の大きい電商件は直営物流網で運ぶ一方、利幅が小さい電商件の輸送は(協力会社による)フランチャイズ物流網に振り向けるようにした。そのうち直営物流網に関しては、同社は「2021年10〜12月期に粗利率がマイナスからプラスに転じた」と説明している。だが、フランチャイズ物流網の現状については情報を開示していない。

そんななか、サプライチェーンおよび国際物流のセグメントは2021年の売上高が前年の約3倍に急拡大した。これは同年決算から香港の物流大手の嘉里物流聯網(ケリー・ロジスティクス・ネットワーク)を連結対象に組み入れたためだ。順豊控股は2021年2月、嘉里物流聯網の発行済株式の51.8%を現金で取得すると発表。この取引は2021年9月に完了し、買収総額は175億5500万香港ドル(約2734億円)に上った。

(財新記者:黄栄)
※原文の配信は3月31日

著者:財新 Biz&Tech