「お金のことが心配で仕方がない。ゼロから教えてほしい」━━。

子どもが生まれたばかりで出版社の書籍編集者、高木一郎君(33、仮名)が、筆者のところに訪ねてきました。彼は開口一番、少し怒ったように、「あの『老後2000万円問題』ってどうなったんですか?」と言いました。

理由を聞くと、子どもが生まれてお金のことが心配になり、ネットでいろいろ調べると、「老後2000万円問題」やら「年金破綻」やら「老後貧乏」など、不穏なワードがたくさん見つかったそうです。

「教育費もめちゃくちゃかかりそうだし、僕たちの未来、子供たちの未来は大丈夫なんですか?」。そう言う高木君の不安はよくわかりました。実は、あの老後2000万円問題以来、20代や30代の方からのお金の相談が増えていたからです。

結論から言えば、「必要な老後資金は2000万円」なんて、平均値で考えても意味はなく、一人ひとりのライフプランに合わせて、合理的に資産形成をしていくことが必要です。

公的年金である遺族年金をまず知ろう

4月18日発売の『週刊東洋経済』4月23日号では「年金の新常識」を特集。年金制度の改正が老後にどんな影響を与えるか、さまざまな視点で取り上げています。筆者も「パートなど短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大」について執筆しました。

話を戻しますと、特に20〜40代の方は、65歳以降100歳まで生きる確率は、女性は約20%、5人に1人です。90歳までだと、男性は約4割、女性は約7割が生存します。誰にとっても、1日も早く資産形成を始めることが重要なのです。

ここからは、高木君にも実際に登場してもらい、お金の心配事を解決したいと思います。

「人生100年時代って、さすがに100歳までは生きないだろうと思っていましたが、ひょっとしたらひょっとしますね」(高木君)

長生きするのは幸せなことですが、お金が足りなくなったらどうしようと心配ですね。老後は、一生受け取れる公的年金と、それまでに貯めた貯蓄を取り崩して生活する人が多いでしょう。

今後、長い期間をかけて合理的に資産形成をしていくことで、老後の安心も教育費などの人生に必要なお金は作れます。

「これから資産形成していきたいと思いますが、老後はまだずっと先なので、まずは、僕にもしものことがあったときに、家族が経済的に困らないようにしたいです」(高木君)

働き手が死亡したときのリスクに備えるのは大切ですね。基本的な考え方は「公的保障で不足する分を民間保険で補う」こと。お金の心配をなくすのにまず大切なのが、公的年金保険制度を正しく知ることです。