それは「長期・積立・分散」というコンセプトで投資するための制度設計になっているからです。非課税枠が毎年40万円で20年間、合計800万円の投資という形になっています。枠の持ち越しはできないので、非課税枠をフル活用するには、毎年40万円ずつという定額で積立投資することになります。

一般的には、毎月定額で積み立てることが多く、12カ月均等割りすると毎月3万3333円となります。20年間の投資制度だから若者向けというイメージがあるかもしれませんが、実は定年世代にこそ向いている制度だと私は考えています。

若い人は教育費など何かと急な資金が必要になったりするので、思ったより毎月一定額を積立投資できる人は少ないものです。その点、キャッシュフローが安定的になる高齢者のほうがむしろ積立投資に向いていると思うのです。

採用されている投信のラインナップも利点

50歳からはじめれば、70歳になってまとまったお金がはいってきます。

繰り越された年金と合わせていけば、お金の不安がやわらいでいきませんか?

「つみたてNISA」が優れているもう1つのポイントは採用されている投信のラインナップです。一般NISAに比べて採用基準が厳しく、実は手数料の高い投信が排除されているのです。日本には6000本以上の投資信託があるのですが、つみたてNISAの対象となっている投信はわずか200本程度です。

これらはいずれも比較的手数料の安い良心的な商品で「長期対象として選んでも資産形成に資する」と金融庁がいわばお墨付きを与えたような投信ばかりです。

何が良心的かと言うと、まず購入時の手数料がゼロのノーロード投信しかありません。毎月積立投資をするにはこれは重要です。また、信託報酬率も極端に高いものは排除されています。そうは言っても、信託報酬率に差はありますし、外貨建てでない投信もあるので、この中でも選別は必要です。

ただ、6000本ある投信から200本まで絞り込んでくれているので、格段に選びやすくなるでしょう。

著者:大杉 潤