ルーベンシュタイン:あなたが大切にしてこられた価値観についてお話ししましょう。まずひとつはプライバシーです。

クック:プライバシーは基本的人権であり、私たちがアメリカ人でいるためには、その他の市民的自由と同じくらい大切なものだと考えています。私たちはそれによってアメリカ人たり得るのです。これは誰にとっても、ますます大きな問題になりつつあります。私たちはお客様からデータをお預かりします。––––優れたサービスを提供するのに必要な最低限の情報です。あとはそれを保護するためにデータを暗号化するなどして、最大限の努力をもって対応していきます。

平等でないことから多くの問題が生じている

ルーベンシュタイン:あなたは平等の重要性についても話をされています。なぜあなたにとって重要なのでしょう?

クック:世界を見渡すと、問題の多くは、平等でないことが原因で生じるとわかります。これは事実ですが、ある一定の郵便番号でくくられた地域に生まれる子どもたちは、たまたまそこに生まれたために、良い教育が受けられません。

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニング–––いわゆるLGBTQのいずれかのコミュニティに属していると、それを理由に解雇される人がいます。多くの人とは異なる宗教を信仰しているために、何らかのかたちで仲間外れになる人がいます。もしあなたが魔法の杖を振り、世界中の誰もが互いに尊重し合い敬意を持って接し合うようになれば、きっと多くの問題は消えてなくなることでしょう。

ルーベンシュタイン:あなたはご自身の個人的な生活について公表し、誰もが享受すべきだと主張した、まさにそのプライバシーの一部を放棄されましたね。なぜそうなさったのですか?

クック:個人ではなく、より大きな目的のためにそうしました。私はだんだんわかってきたのです。自分の家族からでさえ正当な扱いを受けていない子どもたちがたくさんいるのだと。彼らには、『なるほど、しっかり人生を歩んでいるじゃないか。あの人たちはゲイだが、だからと言って一生涯、それが負い目になるような世の中であってはならないんだな』と語ってくれるような誰かが必要なのです。

子どもたちは、そういうメッセージを発信し続けていて、私にはそれが見過ごせなくなりました。『自分にとって居心地がいいようにプライベートを保ってきたが、実はそれは誤った選択だったのではないか』、そう思うようになった私は、より大きな目的のために何かすべきだと考えたのです。

ルーベンシュタイン:後悔はありませんか?

クック:ありません。

前回:ジェフ・ベゾスが無謀に思えたプライム進めた訳(5月12日配信)

著者:デイヴィッド・M・ルーベンシュタイン