たしかに2020年開催時は、非常事態宣言下で陽性者数が抑えられていて、2021年春の日本と同様に陽性者が少ないタイミングではあった。しかし、2022年に関してはオミクロン株の流行により、日本と同様に陽性者が爆発的に増え、モーターショー開催中の“人口あたりの感染者数”は東京と同じくらいだ。

タイは観光収入がGDPの2割を稼いでいるといわれる観光立国で、その復活に向けて海外からの入国に対する水際対策もここへきて大幅に緩和している。モーターショーの開催をみても、タイでは“アフターコロナ”に向けて順調に進んでいることを実感する。

会場で“ウィズコロナ”を感じるのは、全員がマスクをしていることと、いたるところに手指を消毒するためのアルコールが置かれていること、そして入場時にワクチン接種証明をチェックされることくらいだ(証明書は原本を持っていなくても写真を見せればOK)。

ステージにあがるコンパニオンもマスク着用だった(筆者撮影)

以前は“密”を避けるために、それぞれのブース内に同時に入れる人数制限があった。その影響により、コロナ禍で来場者が少ないにもかかわらずブース前の順番待ち(人気ブースは1時間近くにもなった)をしなければ入れなかったが、今年は陽性者数が増えているにもかからず、ブース内の入場制限はなかった。すっかり元のモーターショーに戻っていた印象だ。

現地在住の日本人は「オミクロン株になってから人々の意識は大きく変わり、今では『風邪みたいなもの』と考えている人が増えた」と言う。

バンコクでは週末のショッピングモールもかなり混雑していたし、街の雰囲気はマスク姿を除けばまるでコロナ前のようだった。バンコクの街がにぎわってきたのは「今年になってから」だという。

「アジアのデトロイト」と言われる所以

バンコクの自動車事情に詳しくない人は、「どうせ展示してあるのは日本で売っている車種とかアジア向けのコスト重視のクルマでしょ」と思うかもしれない。たしかに一部は正解だが、最近は“それ以外”が増えている。

たとえばトヨタ「カローラクロス」の発売は日本より1年以上も早く、世界でも最初の発売だった。このカローラクロスのように、日本や世界に先んじて、タイで主力モデルがお披露目されることも増えているのだ。