今年はホンダ「シビックe:HEV」のセダン、つまりシビックハイブリッドの4ドアセダンが「ワールドプレミア」としてヨーロッパの5ドアとほぼ同時に、日本よりも早く初公開された。

そもそも新型シビックは、ハイブリッドというだけでなくセダンも日本未導入だし、おそらく日本には設定されないであろうスポーツタイプの「RS」まで、タイでは用意されるのだから驚きだ。

ワールドプレミア(世界初公開)となった「シビックe:HEV」(筆者撮影)

会場を歩くと「レクサスLM」やトヨタ「カローラアルティス(セダン)GR SPORT」、三菱「ミラージュ ラリーアート」「パジェロスポーツ」など、日本では見かけない車種や仕様の日本車が多く、日本のクルマ好きとしてはそれを見ているだけでも楽しくなってくる。

「アルファード/ヴェルファイア」のレクサス版である国内未導入の「LM300h」(筆者撮影)

バンコク国際モーターショーで「GR」「ラリーアート」、そしてホンダの「モデューロ」などスポーティなドレスアップ仕様が多いのは、そういったカスタマイズが好まれる現地のニーズを反映したものだ。

現地ニーズといえば、ピックアップトラックがやたらと目につくのも、タイのモーターショーの特徴だ。タイはアメリカと並んで世界有数の“ピックアップトラック比率が高い国”であり、今なお自動車販売の約半分がピックアップトラックである。

三菱のブースには「トライトン」のラリーアートバージョンも展示されていた(筆者撮影)

また、これもアメリカと同じ傾向だが、田舎に行けば行くほどピックアップトラック比率が高まっていく。その大きな理由は実用性の高さに加えて税金が安いことだが、ピックアップトラックは、ある意味でタイの国民車といえる存在なのだ。

「日本車が9割」のタイで起きている変化

筆者は新型コロナウイルス感染拡大に伴う海外渡航制限が緩和されたことで、2019年以来3年ぶりのバンコク国際モーターショー取材となった。そんな筆者がモーターショー会場で感じた、以前との大きな変化は2つあった。1つは、中国車の躍進だ。

以前、タイは日本車の独壇場で「一部のお金持ちがメルセデス・ベンツなどブランドイメージの高いヨーロッパ車を購入するものの、プレミアム性のない普及モデルは日系ブランドの牙城を崩せない」と言われていた。