芸事の世界を見ても明らかなように、早い時点から人的資本に徹底的に投資することが有効な点ははっきりしている。まずは、秀才に飛び級を認めて徹底的に競わせることだろう。ビジネスの「種」になる、技術なり、発想なりを獲得できる「外れ値」的な能力の登場に期待する以外に活路はない。

秀才を大いに称えて、競わせるうちに、時価総額の形でゲームのチップを手にする「外れ値」の人は登場するにちがいない。そのときには、かつてホリエモンを排除したようにではなく、今のイーロン・マスク氏を面白がるような感覚で社会の変化を楽しみたい。

円安に賭ける危うさ

さて、マーケットを語る本欄としては、1ドル=130円を超えた円安についてもひとこと述べねばなるまい。

現在の円安の背景は、先行きの見通しまで含めた日米の金融政策の差だろう。FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)は政策金利の引き上げとバランスシートの縮小を今後行うことが確実視される一方で、日本銀行は金融緩和の継続の姿勢を崩していない(それ自体は政策として適切だが)。両者の「見かけの差」は大変大きいのだが、1つ気になるのは、この「差」は「現状が最大なのではないか」と思われることだ。

来春に予定される日銀の正副総裁3名の人事を視野に入れると、岸田政権が日銀の政策の引き締め方向への転換に踏み切る可能性が大きいし、すでに政策委員の交代人事を通じて、その方向性は示唆されている。今後、近い将来の日銀の方向転換の可能性に市場参加者の注意が向いたとき、一転して「急激な円高」が起こる可能性は十分あるように思われる。

FX(外国為替証拠金取引)などで「円安祭り」に参加されている向きは現在盛り上がっているだろうが、「レバレッジはほどほどに」とひとこと申し上げておこう。

(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)