SDGsがブームのように広がっていますが、誤解や認識不足が原因で、「サステナビリティを中軸にした経営」の導入に二の足を踏む経営者も少なくありません。今回は、特に誤解が多い経済成長や資本主義と、サステナビリティの両立について、その中身を解説します。

※本稿は坂野俊哉氏と磯貝友紀氏の共著『2030年のSX戦略〜課題解決と利益を両立させる次世代サステナビリティ経営の要諦』から一部抜粋・再構成したものです。

環境、社会、経済は独立した3つの概念ではない

SDGsやサステナビリティについて語る前に、まず前提として押さえておいてほしいのは、「環境・社会・経済の関係」についてだ。それを端的に表している下の「亀のイラスト」を見てほしい。

出所:『2030年のSX戦略〜課題解決と利益を両立させる次世代サステナビリティ経営の要諦』

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環境・社会・経済の関係は、親亀(環境)の上に子亀(社会)が乗り、子亀の上に孫亀(経済)が乗るという三重構造になっている。サステナビリティ経営について考えるときは、このイラストを常に頭の中に思い浮かべてほしい。

「環境」「社会」「経済」はそれぞれ独立した3つの概念ではない。環境なくして社会なし、社会なくして経済なし、つまり、土台である「親亀(環境)」がこけたら、「子亀(社会)」も「孫亀(経済)」も皆こける構造になっている。

これを頭に入れたうえで、これまでの経済活動を振り返ってみよう。「孫亀(経済)」は、自らの目標を達成するために「親亀・子亀」を傷つけながらどんどん成長を続け、結果的に「自分で自分の首を絞める」活動をしてきたといえる。

「親亀」と「子亀」は、「孫亀」に傷つけられても必死に耐えてきたが、それには限度というものがある。「孫亀」にとって、「親亀」や「子亀」は事業基盤であり、それを毀損(きそん)するようなビジネスは長期的に持続できないことが、ようやく最近になって明らかになってきた。これが、近年のサステナビリティや地球温暖化・CO2削減への関心の高まりとなって表れている。

では、サステナビリティ経営と経済成長は相容れないものなのだろうか?