原油先物価格が1バレル=100ドルを超える水準で高止まりをしている。「ゼロコロナ政策」に固執する中国の経済が減速、「石油需要が大幅に陥る」との懸念の中、売りが目立つようになってきていた相場を大きく押し上げている大きな要因は、やはりウクライナ戦争の長期化だ。

G7はロシア産原油の輸入禁止で合意

まず、5月に入ってからアメリカのウォールストリート・ジャーナルが「ドイツがこれまでの方針を転換、ロシアからの原油輸入を禁止する制裁案に反対しない姿勢に転じた」との観測報道がきっかけとなった。

ドイツはロシア産の原油や天然ガス供給に対する依存度が高い。これまでは自国経済への影響の大きさを考慮して原油の禁輸措置にも一貫して難色を示してい。だが、ここへきてロシア以外の国からのエネルギーを調達、依存度を下げる取り組みにある程度のメドがついてきたことから、段階的な禁輸の実施であれば受け入れるという内容だった。

ロシアへの新たな制裁措置を検討していたEUの取り組みは、ドイツの方針転換を受けて大きく進みそうだ。すでに1日にはブルームバーグが年末までにロシア産の原油を禁止する段階的な方針を提案するとの見通しを伝えたほか、ロシア最大手のズベルバンクを含む複数の銀行を国際決済ネットワーク(SWIFT)から排除する方針も求めるとの見通しを示した。

また4日にも欧州委員会が、向こう6カ月の間にロシアからの原油輸入を、来年1月末までに石油製品の輸入をそれぞれゼロにする方針を提案している。ただEU内ではロシアへの依存度の高いハンガリーの反対によって合意には至っていない。

一方、8日に開かれたオンラインによるG7首脳会合では、ロシア産原油の輸入を禁止する方針が示された。仮にEUで合意できなくとも、ドイツ、フランス、イタリアはG7の表明に基づいて禁輸措置に踏み切ると見てよいだろう。