過去のヴェゼルよりもサイズアップしているのだから、ホイールベースが伸びるのは当然だが、ニュースリリースには「若々しくアスレチックなスタイリング」「冒険に適した多彩なインテリア」との見出しが躍り、北米ではHR-Vに対して、若くアクティブなユーザーを想定していることがうかがえる。

中国では広汽集団の中国合弁「広汽ホンダ」で販売される(写真:本田技研工業)

ZR-Vの発売は、北米で今年の夏。日本では2022年内になるという。パワートレインは、エンジン車と「e:HEV」ハイブリッドの2つ。このホンダのハイブリッドは、2つのモーターを使ったシステムで、ほとんどのシーンをモーター駆動で走り、高速走行時の一部だけでエンジンのパワーを駆動に直接使う。

街中ではEVのように、高速道路ではエンジン車のように走れるというのが特徴だ。すでに、ヴェゼルや「インサイト」「フィット」などで採用され、定評あるシステムである。先ごろ発売になった新型「ステップワゴン」にも搭載された。

ジャストサイズでも個性派は売れるか?

日本市場でライバルとなるのは、トヨタ「カローラクロス」、日産「エクストレイル」、マツダ「CX-5」、スバル「フォレスター」といったところだ。これまでCR-Vが担っていた役割を、CR-Vが大きくなりすぎてしまったために、ひと回り小さいZR-Vが果たすことになるわけである。

そして、ZR-Vは普通のSUVではなく“セダンライク”という変化球で勝負してきた。個性派なだけに、どれだけ市場に受け入れられるかは未知だが、ヒットの兆しは多いにある。ちなみに北米市場でのCR-Vの人気は絶大だ。

2021年の年間販売台数は36万台を超えており、アメリカでの車名別ランキングで5位になっている。上位3台がピックアップトラックであり、4位がトヨタ「RAV4」。その次がCR-Vなのだ。乗用車としては、実質2位である。

そんな北米に対して、日本市場でのCR-Vの販売は散々なもの。昨年の日本での年間販売ランキングは51位以下の圏外で、年間で1万台も売れていない。一方、北米でのライバルであるRAV4は、日本でも年間約5万台が売れ、販売ランキングで15位を獲得している。

新型SUVで手薄になったCセグメントの手当てをするのは良いけれど、CR-Vにも何か救いの手が必要ではないだろうか。ZR-Vの投入にあわせて、ホンダSUVラインナップ全体の盛り上げを期待したい。

著者:鈴木 ケンイチ