世はまさにSDGsブーム。「よりよい未来をつくるために」と掲げられ、政府やマスコミも手放しで礼賛する17の達成目標はどれもご立派なものばかりだが、その一つひとつを科学的に検証していくと、欺瞞と矛盾に満ちた「大嘘」であることがわかる。「人々の『いいことをしたい』という善意につけ込んで、騙(だま)しているという意味では、かなり悪質だ」と生物学者・池田清彦さんは指摘する。最新刊『SDGsの大嘘』から一部抜粋・再編集してお届けします。

ここでは「SDGs」という考え方が実は多くの矛盾を抱えていて、それを無理に実現したところで「素晴らしい未来」などまったく訪れないという「嘘」を暴いていくわけだが、SDGsというものがかなり胡散臭いということは、実はこの言葉自体によく表れている。

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されていることが多い。

ただ、冷静に考えてみると、かなり変な言葉だよね。「SustainableとDevelopment」というなんとなく知的な、プラスのイメージがある単語2つをGoalsにくっつけているので、納得しちゃっている人もいるのだろうけど、これは言葉のつくり方からすれば完全に破綻している。

キャッチフレーズの成り立ちに潜む矛盾

「Sustainable(持続可能)」であるということは、そこで「Development(開発)」は止まるのが普通だし、その逆に「Development」を続けている限りは、「Sustainable」という状態にはならない。「Sustainable」でありながら「Development」をずっと続けていくことなんて、あり得ないわけだ。