中国のネット出前サービス最大手の美団(メイトゥアン)は6月2日、2022年1〜3月期の決算を発表した。それによれば、売上高は462億6000万元(約8998億円)と前年同期比25%増加。その一方、純損益は57億元(約1109億円)の赤字を計上し、損失額が前年同期より17.7%増加した。

赤字拡大の主因は、80億2000万元(約1560億円)に上る投資評価損を計上したことだ。投資損益などを控除した非国際会計基準の調整後純損益で見ると、1〜3月期の赤字額は35億8600万元(約697億円)と前年同期より7.8%縮小した。

本業に目を移すと、美団の主力事業であるネット出前の売上高は242億元(約4707億円)と前年同期比17.4%増加。純利益は15億7000万元(約305億円)と同40%増加し、増収増益を達成した。

美団のプラットフォーム全体の年間アクティブユーザー数は2022年3月末時点で6億9300万人と、1年前より21.7%増加した。同じく年間アクティブ加盟店数は26.6%増の900万店、ネット出前の年間オーダー数は15.8%増の33億6000万件に増加し、堅調な成長が続いているかに見える。

負の影響の反映は4〜6月期から

しかし月次ベースで見ると、1月から2月までと3月以降で明暗がくっきり分かれた。その背景には、中国における新型コロナウイルスの流行状況の変化がある。

決算報告書によれば、1〜2月のネット出前事業は好調だった。新型コロナの感染拡大を予防するため春節(旧暦の正月、今年の元日は2月1日)の帰省自粛が奨励されていたため、美団は「年越しパーティーメニュー」を提供する加盟店を増やして(故郷を離れて春節を過ごす)ユーザーに訴求。その結果、オーダーに占める高額注文の比率が高まったという。

ところが3月以降、新型コロナのオミクロン変異株の感染が中国各地で急拡大。防疫措置の厳格化により、多数の加盟店が営業停止に追い込まれた。さらに、ネット出前の配送員が隔離されて勤務できなくなるケースも相次ぎ、美団は料理の供給と配送の両面で厳しい制約に直面した。

本記事は「財新」の提供記事です

同社の王興CEO(最高経営責任者)は決算説明会で、(3月下旬から2カ月にわたるロックダウンが実施された)上海市では4月のネット出前のオーダー数が新型コロナの感染拡大前に比べて9割も減少したと明かした。

コロナ禍の負の影響が決算に本格的に反映されるのは4〜6月期からになる。王氏は「4〜6月期のオーダー総数が1〜3月期より減少するのは避けられない」との見方を示した。

(財新記者:杜知航)
※原文の配信は6月3日

著者:財新 Biz&Tech