さて、日本経済団体連合会(経団連)が1990年に設立した「1%(ワンパーセント)クラブ」では「経常利益(法人)や可処分所得(個人)の1%以上を目安に社会貢献活動に支出しよう」と呼びかけていた。2018年までは企業に調査を行い、経常利益に対する社会貢献支出比率なども発表していた。これを参考に作成を開始したのが本ランキングだ。

この基準に該当する経常利益比1%以上は96位のALSOK(1.01%)までで上位100社はほとんどが該当している。優良企業の1つの見方としてこの「経常利益比1%以上を社会貢献支出」という基準はもっと注目されてもよさそうだが、組織替えした「経団連1%クラブ」を始め、経団連自身はほとんど触れなくなっている点は残念に感じる。

震災復興支援の状況は?

では、最後に毎年ご紹介している「企業の東日本大震災復興支援の状況」を見ていこう。震災発生後10年の2021年6月末時点で復興支援を「行っている」は38.4%(453社)、「行っていない」が58.5%(691社)だった。

2011年夏時点には94.7%(730社)が何らかの支援活動を行っていた。初めて「行っている」が過半数を割ったのが2017年6月時点(2017年調査)の49.4%(492社)だった。その後も比率は下がり、2020年6月時点(2020年調査)41.8%(479社)、で今回初めて40%を下回った。復興支援の継続は東北との結びつきが強い会社中心の活動になっていることがさらにはっきりしてきた。

社会貢献活動の考え方は立場によって大きく異なる。以前よりは減っていると思われるが、利益重視の株主などは「社会貢献はムダ」と切り捨てる人もいるだろう。一方、NPOやNGOは寄付活動などの社会貢献を行う企業を称賛する。企業内でも社会貢献に理解のある社員がいる一方で「寄付する余裕があるなら給料に回せ」といった意見が出るなど賛否両論あるというのはよく聞く話だ。

しかし、政府や自治体では対応できずに大企業等に期待する分野は依然多い。そうした分野に事業活動で得た利益の一部を配分していくことは企業の社会的責任としての役目もある。こうした取り組みで社内の社会課題の理解が深まり、今後拡大していくと予想される課題解決型ビジネスへの取り組みがスムーズに行えるようになる可能性も高そうだ。

さて、今回ご紹介した例は『CSR企業総覧(ESG編)』に掲載しているごく一部でほかにも多くの企業が幅広い社会貢献活動を行っている。興味のある方はこちらをご覧いただきたい。