民生用ドローン最大手の大疆創新科技(DJI)は6月9日、低価格車を得意とする自動車メーカーの上汽GM五菱汽車と共同で、DJIが開発した自動運転システムを組み込んだ新エネルギー車の量産モデルを近く投入すると発表した。

(訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、電気自動車[EV]、燃料電池車[FCV]、プラグインハイブリッド車[PHV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)

DJI製の自動運転システムを搭載するのは、上汽GM五菱汽車のマイクロEV「KiWi EV」だ。2021年8月にサブブランドの「宝駿(バオジュン)」から発売した既存車種だが、これを機にマイナーチェンジを施す。

ドローン業界の巨人であるDJIは、自動運転システムを柱とする自動車関連事業に2016年に参入。開発部隊の規模は年を追うごとに拡大し、2021年末時点で1000人近くに達している。

上汽GM五菱汽車との提携は2019年に始まり、2年余りで累計100万キロメートルを超える路上テストを実施したという。

「まずレベル2のシステムを磨く」

「DJIが提供するのは、ハードウェアとソフトウェアが一体となった自動運転システムだ。わが社の『D80システム』をベースに、上汽GM五菱汽車が求める機能や仕様に基づいてカスタマイズを行った」。財新記者の取材に応じたDJIの関係者は、そう解説する。

同社の開示資料によれば、DJIの自動運転システムには「D80/D80+」「D130/D130+」「スマートパーキング」という3つのソリューションがあり、D80は最高時速80キロメートル、D130は同130キロメートルまでの走行に対応することを意味する。自動運転システムの区分上は「レベル2」と呼ばれる技術で、車両のハンドル操作や加減速などをシステムが支援し、人間のドライバーがそれを常時監督する必要がある。

本記事は「財新」の提供記事です

自動運転技術の開発企業の多くは、特定の条件下ですべての運転操作をシステムに任せる「レベル4」の実用化を競っている。そんななか、DJIは業界の主流と異なる独自路線をとり、今後の展開を次のように説明している。

「まずレベル2のシステムをさまざまな運転環境下で時間をかけて磨き、人間のドライバーによる(緊急時などの)介入を徐々に減らしていく。そのうえで、自動運転技術に関わる法律、政策、インフラ等の整備がもっと進んだ後に、システムをレベル3やレベル4にアップグレードする」

(財新記者:戚展寧)
※原文の配信は6月9日

著者:財新 Biz&Tech