新型コロナウイルス(以下、コロナ)の感染が再拡大に転じた。6月26日、東京都は、都内の感染者数が2004人で、1週間前より382人(約24%)増加したと発表した。9日間連続で、前の週の同じ曜日を上回った。

コロナ感染の拡大は、わが国に限った話ではない。図1は、G7諸国の感染者数の推移を示す。6月に入り、アメリカ以外の国で感染者が増加傾向にあるのがわかる。

図1

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過去2年も夏場は流行期だった

この時期に感染者が増加したのは、夏場の流行期に入ったからだ。2020年、2021年のいずれも、わが国では6月後半から感染が拡大している。感染のピークは、2020年は8月9日、2021年は8月25日だった。これから約2カ月が「勝負」となる。

どのような株が、今夏の流行の主体となるのだろうか。参考になるのは感染者が急増している欧州の経験だ。欧州疾病予防管理センター(ECDC)は、オミクロン株BA.4とBA.5が流行の主流となっていると発表した。この2つの株は、それまでのオミクロン株の系統と同じく重症化しにくいが、感染力が強く、免疫を回避する能力も高いと考えられている。過去の感染やワクチンの効果は期待しにくいと予想する研究者もいる。

われわれはどうすればいいのか。合理的に対応することだ。重要なのは2つだ。空気感染対策とワクチンである。前者については、4月26日配信記事「『空気感染』日本であまり知られていないカラクリ」で紹介したので参照いただきたい。

問題は後者だ。現在、わが国では高齢者の4回目接種と、若年世代の3回目接種に関心が集まっている。はたして、ワクチンに、どの程度期待していいのだろうか。

前者については、日本での接種経験が少なく、海外からの報告を参照するしかない。現時点で最も重視すべき臨床研究は、4月13日にイスラエルの研究チームが、アメリカ『ニューイングランド医学誌』に発表したものだ。

この研究では、60歳以上の高齢者に対して、前回接種から4カ月以上の間隔を空け、4回目接種を行ったところ、3回接種群と比べ、接種後7〜30日間の感染リスクは45%、入院リスクは68%、死亡リスクは74%低下していた。4回目接種は感染予防についてはイマイチだが、重症化予防については有効だったことになる。BA.4とBA.5に対して、一定の効果は期待できるだろう。