では、4回目接種の問題は何だろうか。それは、予防効果の持続が短いことだ。イスラエルの報告では、感染予防効果は、接種後8週間時点では、約10%まで低下していた。2回接種、3回目追加接種の研究では、感染予防効果と比較して、重症化や死亡を予防する効果のほうが強く、かつ長期にわたり維持されていた。

イスラエルの研究の観察期間は短く、重症化や死亡の予防効果も、感染予防効果と同様に短期間で減衰するのかはわからない。ただ、4回目接種には過大な期待を寄せないほうがよさそうだ。もし、効果の持続が短いのなら、接種時期は流行直前がいい。それなら、今こそ、打つタイミングだ。夏の流行をカバーすることができる。

若年者の3回目接種はどうすべき?

若年者の3回目接種はどうすべきか。現在、わが国では12歳以上を対象に3回目接種が実施されているが、接種率は年齢により大きく異なる。6月20日現在、厚労省によれば、70代以上の接種率は90%を超えるのに対し、12〜19歳は29.1%、20代は44.4%、30代は48.2%だ。医療・介護職や高齢者と同居している人を除き、オミクロン株は、感染しても軽症だから、あえて接種の必要がないと考えているのだろう。科学的に合理的だ。

ただ、オミクロン株は軽症だからと言って、問題がないわけではない。6月24日、沖縄県高校野球連盟は宜野座高校が、第104回全国高校野球選手権沖縄大会の2回戦を辞退すると発表した。1回戦を突破後、複数の部員の感染が確認されたという。若年者と雖も、コロナに感染することで、日常生活は制限される。コロナには罹らないほうがいい。

若年者が3回目接種に期待するのは、感染を予防できる効果だろう。ただ、後述するように、海外から若年者に対する追加接種により、抗体価が上昇することは報告されているが、実際に感染を減らすか否かを検討した大規模な研究は発表されていない。

6月16日、福島県相馬市が発表した調査結果が興味深い。相馬市は市役所が中心となってワクチン接種を進め、全国で最も迅速に進んでいる自治体の1つだ。6月15日現在、高齢者(65歳以上)人口1万1190人中1万234人(91.5%)、青壮年(19〜64歳)人口1万7390人中1万4542人(83.6%)、中高生1834人中1066人(58.1%)が3回目接種を終えている。

4月1日から6月15日までに65歳以上35人、19-64歳279人、中高生65人が感染しており、3回目接種完了者、未完了者の感染率は図2のようになる。

図2

この結果、3回目接種の感染予防効果は、高齢者45%、青壮年67%、中高生で91%と推定される。追加接種の感染予防効果は、若年層ほど高いことになる。私が知る限り、若年者を対象とした追加接種の感染予防効果を、大規模な調査で初めて証明したものだ。