――総会の結果をどう受け止めていますか。

提案株主の保有株数を考えれば、株主提案が通ることは最初からわかっていた。それでも開示しているとおり、会社としては株主提案の取締役人事に反対だった。残念ながら、資本の論理で会社提案が否決されてしまったが、総会を受けて退任された社外取締役の方々を含め、通すべき筋は通したと思っている。

私個人に関して言えば、会社提案、株主提案のいずれの取締役人事案でも再任となっていて、総会後の取締役会で代表取締役社長としての続投が決まった。「これからどうするのか」と聞かれれば、執行責任者として引き続き業務をしっかりやっていくとしか言えない。

以前から株主提案をにおわせていた

――土屋社長は、社外取3名と社内取締役(大熊会長、土屋社長)の計5名で構成される指名報酬委員会のメンバーの1人でした。委員会は最終的に「高嶋氏を取締役として再任させない」という結論を下しましたが、土屋さん自身は再任賛成・反対のどちらの立場だったのですか。

つちや・あつゆき/野村不動産でフィットネス事業に従事し、退社後の2010年にFast Fitness japanの創業メンバーの1人として取締役に就任。2017年の社長就任後、店舗数を拡大して会社を急成長させた(写真は2018年、撮影:風間仁一郎)

誰が反対で誰が賛成だったかという詳細までは申し上げられないが、委員会として最終的にそういう判断を下したということ。そのうえで、高嶋氏を含まない取締役候補者案を委員会で決め、取締役会がその人事案を承認した。

取締役会も指名報酬委員会も半数以上が社外取だった。いずれも弁護士、公認会計士などしっかりしたバックボーンのある方々で、めいめいが自分の信念に従って、是々非々で判断した。その点で、会社が総会に提案した取締役人事案は、ガバナンスがきちんと働き、適切なプロセスを経て決まったものだった。

――にもかかわらず、株式の過半を握るオーナーの大熊会長がそれに納得しなかった。

大熊会長は高嶋氏のことを非常に信頼していて、高嶋氏の取締役再任を強く要求していた。また、今回の件よりも前から意見の違いなどがあって、指名報酬委員会のメンバーだった3人の社外取に対して良い印象を持ってなかったように思う。